サムライせんせい最終話続き(6)(了)

 また大変長いことご無沙汰してしまいましたが。もうすぐブルーレイ・DVD発売ということで、サムライせんせい最終話のことを、あと一回だけ書こうと思います。




 (最終話についてはドラマ後、割とすぐ一度書いて、その後、武市さん素敵ポインツをのらりくらり書いていたら、最終話続き1〜5とか長くなってしまって。今回ようやくラストまで到達する、と思います)。




 さて、前回、海道暗殺を遂行しようとする龍馬と、それを止めようとする武市さんの死闘のクダリから書きまして。いや〜、本当に息を呑む、見応えのある殺陣でしたけれども。




 最後に身を躍らせてアザを庇った武市さん(男前!)、氏家殿に撃たれたか、アギを抱き起したアザの手にはべっとりと血が!手負いのアギを引き摺って去るアザ。そこへもう一度発砲する氏家殿。その後行方の知れない2人。泣いちゃう晴香さん。




 と、とある車が人気のないダム脇で止まります。男が降りてトランクを開けると血塗れのブルーシートからのぞくチョンマゲと血塗れの手!!




 きゃ〜!と思いきや、「着きましたよ」の声にのどかに目を覚ますアギアザ。




 実は、氏家殿はアザの同志、逃亡の手助けをしてくれはったという。血塗れの手は血糊やってんな〜。




 血塗れのブルーシートの下で、膝に手を挟むザ・錦戸スタイルで寝ていた武市さんがそろそろと起き上がるシーン、




 あたかも直前まで本当に寝ていたような、ちょっとぽや〜っとした寝起きっぽい声と表情がリアルでナイスだった!てな所まで前回書いたの。(よろしければサムライせんせい最終話続き(5)http://d.hatena.ne.jp/sucsuc/20160222#1456151675 をご覧になって)




 さて今回はその続きですけれど。きっちり御礼を言って頭を下げた後、氏家殿の車を見送るアギアザ。ちゃんと武市さんの方がちょっと大きくて、何だか微笑ましい2人の並び。




 そして武市さんが腕を組んで、語り始めます。




 「なぁアザ。おまん、本気で海道の首を取るつもりじゃったんか?」
 笑顔でかわして歩き出すアザ。

 武市さんもちょっと笑って、2人で肩を並べて歩きながら、さらに話を続けます。




 「あれは本当はいつものハッタリ。ただ歌舞いて、世の中を動かそうとしただけだったんじゃないがか?」

 「今ん日本には徳川も侍も土佐も山内家も攘夷も勤王もなんちゃぁないき!もしかしたら、わしらん役目はもう終わったんかもしれんな」



 「これからどうするつもりじゃ?」
 「もう一度考えてみるよ。この時代で俺がめっちゃマジになれること。武市さんは?」


 「わしは…」一瞬、思案気に目を伏せた後、アザの目を見て言う武市さん。

 「やはり戻るつもりじゃ」
 「幕末に?!」




 今度は、武市さんが何も言わずに笑顔で応え、肩を並べた2人の後ろ姿が見えなくなっていきます。美しい紅葉。バックには侍唄だ!




 実は初見時は、ハッタリの件、あらまそうなん?と思いましたのね。甲冑の回だったかでも確かアザはハッタリかましていたけど、素直なあたくしは(言っとけ)すっかりマジな暗殺を止める為の死闘、と思っていたから。




 でもコンプライアンス関連とかで、そういうのも必要なのかな〜、アザの影響で事件が3件起こったという設定だったし、視聴する青少年に与える影響もあるだろうし、

 テンションマックスな殺陣からの流れをふわっと和らげるというか、良い感じにお話を締める為にも良いのかも、なんて思いました。




 それに、いつものハッタリちゃう?的な事を言う武市さんの、わしゃおまんのことはお見通しじゃ〜みたいな表情も良かったし。




 侍・武市さんとしてはレアな、「幕末に」の後の、ニカッとした笑顔(そらぁキュートさ!)も効いていたと思います。




 さて、一か月後。




 龍馬暗殺の真相を首尾よくネットにアップしたサチ&既に尻に敷かれている感じの寅ちゃんカップルは、それでも仲良しで。



 愛読書がサル→高校生でも分かる幕末、に進化した理央殿は、今や元セクハラ上司を従えた美人過ぎる村長・晴香さんを、火打ち石を打って送り出し。




 ゆうなちゃんがリードして、子供達は自主的に剣術の稽古に精を出し、佐伯さんは富子さんの絵に向かって手を合わせ。




 武市さんは?ラスト、戻るつもりだと言っていた武市さんは、一か月後、まだいる?いるのか?という所でタケチ歯ブラシが映って、あぁいる!ってなんねんな〜。




 そして例のピンクの家紋柄?のお買い物バッグを持って、「今宵は久しぶりに泥そばにしようかの」とつぶやく武市さん。看板のでんがくんの隣には武市さんのキャラが!というフィニッシュ、とても良かったと思います。




 (すごく時間が経ってしまってすみません。最終話初見後の全般的な感想は、サムライせんせい最終話http://d.hatena.ne.jp/sucsuc/20151212#1449912200に書いたので、よろしければご覧になって)




 ということで途中から素敵ポインツだか何だか分からなくなってきたけど。これでサムライせんせいのお話はお開きとさせて頂きますけれども。今週いよいよペータさんのブルーレイが家に来るという。ワクワク。




 あたくし、「サムライせんせい」は今までの錦戸さんのドラマの中でも、最も好きなものの一つでございますの。




 武市さんは気骨ある厳格なお侍で、本人は大真面目なんだけど、現代の事物に驚く様はキュートで(新宿篇とかでは)腰が抜けるほど驚いているのに強がってみせたりするのも、またラブリーで。




 剣術は免許皆伝の腕前だけど、強いだけではなくて、礼や仁義に厚く、思いやりもあって、子供に対してもちゃんと向き合うし、やたら富子〜とみこ〜とか言って、奥様一筋の愛妻家だし。




 そんな武市さんを錦戸さんは実に魅力的に演じておられたと思います。




 コメディは匙加減が難しい。コメディを成立させるには演じ手に高い技術が必要、と聞きますが、そこも錦戸さんはバッチリだったと思います。




 あとねぇ、最近の、より素敵な大人になられた錦戸さんのビジュアルが個人的に大好き、ということもありますし(顎の辺りガッツリして、個人的により好みな感じになってきてん・嬉)。




 髪型等の演出に頼る必要のない真正美男子だから、月代も似合うし、お侍の所作は綺麗だし、体もすごく動いて殺陣も見事だし。




 台詞回しも自然でリアルで、実年齢より5歳ほど上の役を演じられたからかしら、お腹から出た声がますます渋く良い感じになった気がします。


 
 凄味のきいたエェ声で、キレて土佐弁化する所もカッコ良くてシビレました。



 そうかと思うと、錦戸九ちゃんの上を向いて歩こうみたいに、彼はまっすぐで優しくて温かい声も出るのですわね。錦戸さんは多面体、というのは若き大先輩・furabonさんの言だけれども。声に関しても多面体なのも強みで、やっぱり何かとショービズの申し子だわ〜と思っています。




 次はどんな役を演じてくれるかしら。楽しみです。