陰陽屋6

 今週もバタついていて遅くなってすみません。色々勘違いしていたら、ごめんね。



 ということで、6話も、楽しく笑って、最後ホロリとする良いお話でしたわ〜。




 前半、祥明さんの秘密に切り込むべく、秀行・珠希コンビがホストクラブに乗り込むのも新鮮でしたし、商店街の皆さんが大盛り上がりで、瞬太くん発案の「猫カフェプランナー騙し」に奮闘するのも、可っ笑しくて大好きでした〜。




 ロッキーのテーマに乗せた特訓風景とか(土手には、ちゃんと金八先生がいたりして)、脚本・演出・監督のふせえり(千鶴)さんの鬼っぷりとか、リハーサル用・手作り感溢れる瞬太祥明さんの佇まい (紙の烏帽子、カーテンかなんかガムテープで留めた狩衣)と呪文(ぎゅうにゅうニョリツリョーに聞こえたような)の得も言われぬ愛らしさとか、本番での、濱田さん、南野さん、一朗太さんの、見事に素人っぽいセリフ回しとか、すっばらしかったです。




 そして、もちろん、その後、真打登場!風に、エェ声・端整なお顔でおごそかに出てきた錦戸祥明さんの、いつもより長めの渾身のお祓い(のお芝居)もエクセレントでした!!祥明さん、なんやかんや言ってちゃんと力を合わせているし。





 悪霊にやられそうなテイで「あっ」なんてよろめいたり、駆け寄ろうとした皆に「私に触らないで〜!!」と必死に叫んだり、いつも余裕のクールモードの祥明さんが、エモーショナルに声を張ってくれるのが、レアかつ面白カッコ良かったです。




 ところが、猫カフェプランナー・神林さんは化け猫がいるなんて最高!とかえって気に入っちゃって、結局、台本が落ちてモクロミはバレちゃって。劇中、あのように初々しいセリフ回しだった一朗太さんが、その夜、狐火でクダまいて「お客さんに響かなきゃ意味がないから!」なんて言うのが面白キュートでした!みえはるさんの「何だか、下北沢の居酒屋みたいだな」発言もナイス!演劇の町・下北沢は割と近くなので、話に出てくるとシンプルに嬉しかったりもします(さよか)。





 そして最後は、いつものように鮮やかに謎を解いた祥明さんが、「あなた、化け猫に祟られてるニャ〜!」なんて、今回は猫風味の胡散臭さもヒトキワな感じで「祟りのせいでは仕方ありませんね〜」とグイグイいって万事スルリと収めるのですが(卵の殻にハッタリの防犯カメラをのせていくのがナイスでしたわね)。





 狐の像を傘でバチコーン叩いたり、人に水を掛けたりして、いかにも鼻つまみ者風だったジュンコさんが、実は良い人と分かって、今週もまたジーンと来ました。悪評の立った自分と仲良くしていたら、ユリエさんに迷惑が掛かるからと、自ら距離を置いたりして。




 源次郎さんが作ってくれたカレー入り油揚げみたいに、見た目では中身の味は分からないというね。その点では、ジュンコさんが犯人だと疑われて、決定的に嫌われるきっかけとなった10年前の「狐饅頭盗難事件」の真犯人が、淑女なユリエさんだった、というのも、意外でしたが。




 当時ジュンコさんは疑いを否定しなかったのですわね。否定したら、じゃ、誰が、って話になるだろうし。その頃、ご主人を亡くしたユリエさんは不安定だったみたいだし。




 そしてユリエさんが自ら和菓子屋さんに名乗り出た後も、ジュンコさんは悪評を背負ったまま行くのよね。人に色々言われても、あのお店にご主人の好物だった粒あん入り白狐饅頭をマメに買いにいくのに不都合はないし、亡くなったご主人を想い、ユりエさんを陰ながら見守り、自分なりに暮らしていければそれで良かったのかもね(卵の殻再利用然り、暮らし向きもきちんとしてはんねんな〜)。なんてね。




 そして二人のご婦人は互いの安否を確認し合っていたけれど。相手が自分を気遣っているとは知らずにやっていたのでしょう?無償の愛ですわね。家族みたいな。血縁でもない、ご近所さんなのに。




 ラスト、祥明さんの「ご近所トラブルは、コミュニケーション不足で近頃増えてきたように言われているが、そんなのは嘘さ。長屋暮らしをしていた昔の方がよっぽど多かったはずだ。でも当時の人達は、ご近所は家族と一緒だと覚悟して、徹底的にやっかいな相手とも付き合っていたのさ」という鋭くも深い言葉がありましたが。





 今も下町には、家族でないのに家族みたいな、家族以上の絆が存在するケースがあるのかな〜なんて、今週も考えたりしました。普段考えないことを考えるきっかけをくれるというのかしら、そういう意味でも素敵なドラマですわね。





 続きまして、6話の祥明さん素敵ポインツなのですけれど。今週は時間と体力の関係で、「王子化け猫騒動」本番のシーン(プラスちょっと)だけにしておこうかと。さっきもちょこちょこ書いたので、ダブって申し訳ないけど。同じ言葉を繰り返していたらごめんね。




 さて、ユリエさん宅の和室で、床の間にしつらえた祭壇に向かって、座って待っているユリエさん、神林さん、商店街の皆さん。そこで、お芝居が始まり、商店街の皆さんの、例の見事に素人くさいセリフに目を見張っていると、そこに狩衣・烏帽子姿の祥明さんが端然と現れ。




 「門倉ゆりえさんから、霊障があるとのご相談を受け、この家を調べさせて頂いたところ、どうやら何らかの悪い霊に憑りつかれていることが分かりました」なんておごそかに言うのがメッチャエェ声!そしてグッドルッキング!




 それまで、手作り感満載のラブリー瞬太祥明さんや、商店街の愉快な面々の特訓やら息を呑む棒読みセリフやらに笑っていた直後なので、端整な祥明さんがすごくオーセンティックで(日本語で言えや〜)クールに見えたけれど、そんな祥明さんもちゃんと千鶴さんの台本に沿って大真面目にお芝居に尽力しており。




 「これから、その霊を呼び寄せ、鎮める為の儀式を行います。わたしくの力で完全に鎮められるかどうかは分かりませんが、精一杯つとめさせて頂きます」なんて真摯に言って、一礼する様子は、既に普段のエコモードとは違った神妙さ。



 しかし、さすが、安兵衛さん、一礼がキレイ。そして一人称「わたくし」呼びもバッチリはまる錦戸祥明さん、素敵。あれ見て、素のキャップ兄さんの時、彼がいきなり「わたしく」呼びしたら面白いわね、なんて思ったアタイって変なやつ。




 それから真剣で男前な眼差しで祭壇に向き直り、シャキ〜ンと両手を広げ、そこから上にあげた腕をクロスに下してくるあたり(指はキツネさん系)、動きがキレイなのは当然よねぇ。だって錦戸亮ですもの。




 そして、そのように、いつもより大きく動きながら「穢れし荒ぶるスソ神の、所々家々に隠れおりしを」とか、いつもより長く難しいことを、男前なお顔と声で懸命に唱え(きゃ〜素敵)、




 「集えに集えて…あっ」なんて苦しげなお顔でお腹を押さえてよろめいて、ガタンと障子に手をつき(きゃ〜素敵)、




 「大丈夫ですか?」と駆け寄ろうとした皆に「わたしに触らないで〜!」なんて劇的に叫んで、体勢を立て直した祥明さんは、強めの良い声で渾身のお祓いを続け(きゃ〜素敵)、




 2階の揺らし係の路子先生も(狐火でのお稽古のエアーウェストぶるぶる最高でした!)、階段の効果音担当・瞬太君も頑張って、お祓いはクライマックスへ。




 「…病魔退散!急急如律令!」


 いつもよりハードに叫んで、険しいイケメン顔の祥明さんが印を結ぶと、ボガ〜ンと大きな音がして、商店街衆が、くにゃりと脱力、「にゃ〜お」とおもむろに猫化して神林さんに、にじり寄ります(皆さんの猫っぷりが最高。背中を向けている祥明さんがニ〜っと笑うのもナイス&キュート)。




 「いけない、神林さん、猫の気をそらして!」と必死に叫ぶ祥明さん。ユリエさんの肩に手を置いて、守るように寄り添っているのが、かっけ〜。大きな瞳の懸命なお顔も超絶男前。




 はっとして、懐の猫じゃらしで皆をじゃらす神林さん。ユリエさんを庇いつつ、「化け猫の霊です!」とか言う祥明さんのお顔も声も、精悍で超素敵(こんなんばっかり)。




 さらに声を張って「この部屋のどこかに何か猫の恨みをかうものがあるはず」「これだ!」と三味線につかつか歩み寄って手に取る祥明さん。「…急急如律令!」と素早く印を結んで三味線に霊札を貼る所作も美しく。タイミングを合わせて瞬太君が「うぎゃぉ〜ん」みたいな化け猫がダメージ受けた感じの音を出し、苦しげに頭を押さえて倒れ込む皆さん。




 三味線にされた猫がこの家に巣食っている、そこに神林さんが現れ、ミーちゃんを連れてくるようになった為、縄張りを荒らされた化け猫が怒った、ここを猫カフェにするのは止めたほうがいいでしょう、と良い声で毅然と説く祥明さん。そういうもの?という感じの千鶴さんのシナリオにちゃんと沿って、威儀正しく語る祥明さんが愛しい。(丁寧語の標準語もすごく良いわ〜、今更だけど)。




 しか〜し、化け猫がいるなんて、にゃんともファンタスティック!なんて神林さんは喜んじゃって、祥明さんが「えっ?」みたいな表情をするのも、倒れている皆に、渋い表情で「うん」と咳払いして「作戦失敗。It's over」みたいに合図を送るのも、いちいち男前でございました。で、皆がしおしおと起き上がる時に、千鶴さんの台本が落ちてモクロミはバレちゃうんだけど。




 この「王子化け猫騒動」、いつもフフンと余裕の祥明さんが(お芝居だけど)アツく声を張るのが見られて新鮮でしたわ。レアで面白かっこよかった〜!ってさっきも書いたけど。ありがとう、千鶴さん。祥明さんの、グッと目を見張った精悍な表情が長めに見られてハッピーでした。




 かと思うと、お芝居の後には、精悍なお顔から一転、烏帽子を脱いだ甘いビジュアルで、縁側でぽや〜んと茶狐饅頭(こしあん)を食べるキュートな姿も見られてナイスでしたわ。(あの辺で隣家の様子をチェックして、長マツゲの目をクリッと開けるドアップのお顔もラブリー!)。




 そういえば、烏帽子なし狩衣姿のまま、和菓子屋の外に座って、狐饅頭を食べる祥明さんもデラキュートでしたわね。茶色を食べて「うん、うめぇ」なんて、もくもく食べて、コクッと飲み込んで、白を食べて「こっちもうまい」なんて言っている、ちょっとおちょぼ口の有様が小動物のように愛くるしかった!あの白いやつ着た垂れ目のん、縁台ごと捕獲希望。



 (ちなみに「こんな所にいたんですか」と駆け付けた路子先生に「うん。お饅頭が食べたくなってね。先生もおひとつどう?」なんて、おっとり言うのも、品が良くて素敵でした。さすが国立のおぼっちゃま。食べ方もきれいだし)。




 このように、精悍だったり、甘かったりするのは、彼の(めっちゃたくさんある)魅力の一部だと思いますが。




 最後の謎解きで「あなた、化け猫に祟られてるニャ〜!」「これは困りましたね〜、ミーちゃ〜ん」とか言って、胡散臭さ全開な感じを出せる所も素敵だと思います。「祟られてるニャ〜」の、ちょっとアブナイ目といい、口元といい、妖猫っぽかった〜(もちろん褒めてる)。さすが錦戸亮、只者ではないわね。これだからファンは止められないという。「祟られてるニャ〜」の前の「そこまでおっしゃるならお伝えしましょう〜」の、最後上げる感じの抑揚も良かったかも。たっかい声だして、ミーちゃん撫でるのも、ミーちゃんに霊札張るのもナイスでしたわね。




 それから、ジュンコさん宅にずんずん入って行く時、「ユリエさんはご自分のお家でお待ち下さい」とニコっと笑うのもラブリーだったし。ジュンコさんに言う「あ〜ぁ、祟りというのは恐ろしいものですね」の言い方も良かったような。その他にも、挙げたらキリがないくらいたくさん、祥明さんの素敵な表情が見られて、今週もファンタスティック!でした。




 次回も期待できるわ〜。ドラマも残すところ4話くらいかしら。大切に見よっと。(←11話までということで、思ったより1話多くて良かったけど、もう終盤に向かっているということで寂しい〜)