流星最終回

 最終回、良かったです。見終わった後、温かく、柔らかく、懐かしい何かに包まれていました(←原作ラストページから拝借したフレーズ)。なるほど生きてもらうのね。辛くとも。ゆーても二人、手に掛けているし、通常の物語なら原作通りの展開になるのが普通かもしれないけど。小中高生とか若い世代がたくさん見ているし、影響力あるし、それ良いかも、と思いました。兄貴の言う通り、死んで終わりなんて、虫が良すぎるものね。


 戸神さんがお店を買い取ってくれーの、ほぼ素人ズで開店準備しーの(泰兄のエプロン姿がプリチエスト!)、いきなり繁盛しーので、アリアケ復活早くね?という夢みたいな展開も。眉なしサギちゃん流アクセル歓迎法(←新人ネタまだあった!)などと合わせ、鮮やかなマジックを見るように、存分に楽しませて頂きました。サギちゃん、千円が大好きだものねーなんてあんた知り合いなん?的感情移入をしたのは久しぶりかも。空想の中の寺島さんさながらに、火が強すぎるよっと兄貴が鍋に駆け寄るのも、「ハヤシライス」「終わっちゃいましたね」で締めるのも良かった〜。すべてが最高に素敵なドラマでしたわ。


 さて、最終回も泰輔くんの良い所がたくさんありすぎましたね。達者な兄貴を始め、皆様が素晴らしいのは言うまでもないんだけど、あたくしはイエローさんの係りだから(←係りなん?)、いつもそればっかり書いてすみません。


 今回あたくしが一番好きだったのは、やはりというか、屋上の泣きシーンです。兄貴の心震える「何であんたなんだよ」の後、柏原さんが有明3を改まって君付けで呼んで。ほんとにすまないことをしたと土下座で頭を下げるあたりですわね。ずっとつきつけていた銃を下ろした涙の兄貴の後に映った泰輔くんは、もう、日本の宝だと思います。うつむき加減の哀しい瞳からポロリと大粒の涙が落ちて、その後ぐっと顔を上げて、マジ泣きの、それでいて強い瞳がちょっと泳ぐのが、もうリアルで美しくてリアルで美しくてリアルで…(←止めんか〜い)。さすが錦戸亮


 あんな時に流星が見られるなんて、「ふざけんなよ、なんで今なんだよ」と涙声の泰輔くんも良かった〜。リアルな涙声も亮ちゃんの最強の武器の一つですわね。ってか必要があればいつでも素早く本当に泣けちゃうのだものね、素晴らしいことに。アゴに涙の雫が光っていたわ。その前に、流星が…という感じでシーが「お兄」「泰兄」と呼びかけて、振り向いた時の泰輔くんのお顔は。泣き効果か、何だかキュートちび時を彷彿とさせて、濡れ仔犬そのものだったかも。あんな時だったけど、3人で流星見られたのは良かったわ。


 原作では泰輔くんは柏原さんとほとんど会っていなくて、よく覚えていない設定のようだけど、ドラマでは仲良しだったから、真相を知った時の彼のリアクションはどんなんかなと期待していたのですが、そこも良かったな。「教えてくれよ。息子が死んだ後俺らに近づいて、あんた何がしたかったんだよ」の言い方は、泰輔くんの痛みが伝わる、最高かつ魅力的なものだとあたくしには思えました。


 それからもう一つ気になっていたのが、泰輔くんの今後ですが、それも結構でしたわ。泰輔くんが良い子で。「やっぱ人から奪った金で幸せになろうなんてズルはさ、通用しねーんだよ」の横顔、「だから、自首する」の正面顔、「もう遺族じゃないよお前」の後の笑顔は、もうね、日本の宝だと思います(←そんなんさっき聞いたで)。絵のような美しさに脱遺族な穏やかさが加わって…。燃えるような紅葉の前のキュートブラザーズのくだりは、泰シーの朝焼け防波堤とともに、画がキレイなシーンとして思い出に残るかも。


 泰輔くんはバイトじゃなくてハケンの面接を受けに行かれるのね。行成にここ座んなよ、と席をあけわたして。惚れんのも無理ねーと認めて、自首する前には怖いほど真剣なお顔で、シーを行成に託していったのですものね。結局泰兄には執行猶予がついたけど。泰兄がシーに「バイトじゃねーよ。ハケンだよっ」と言うあたり、仲良兄妹がキュートにじゃれている感じで。泰シーの関係も、有明3+行成の絆も良い感じで展開していて幸せでした…。



 いや〜、原作を知っているサスペンスで、こんなにハラハラし、笑い、泣くことができるなんて思わなかったな。3ヶ月間、良いものを見せて頂きました。最後にちゃんと、イトシの高山さん(ちょっとの間でもきちんとオカシイ)も、小動物系銀行員小宮くん(ちょっとの間でもきちんと愛くるしく面白い)のシーンもあったし、満ち足りた気分です。あざとい釣りがなくて品があるのも素敵なことでした。


 あーついに終わってしまった。あのちょっとかすれた「アニキ…」がもう聞けなくなるのね…。そんなの哀しすぎるから。

 終わったばかりで強欲ですが、最高の俳優錦戸亮にどうか来年もドラマのお仕事を!