オルトロス最終話

 とても長いです。ネタばれにご注意〜。






 
 最終話、良かったです。始まる前に滝様ファンのお友達から、3日間にわたった最終話のロケが大変だったらしいと聞いたものですから。自然の中で頑張らはった麗しのご兄弟の涙の姿を、心して、ありがたく胸に刻みつけました〜。



 涼介君は「兄貴」呼びでしたわね。キャラ的に「兄さん」呼びな感じがしていたわ。亮ちゃんのアニキの発音もカワイくて良いけど。



 実の兄弟だと誰かが告げようとする度にさえぎられて、弟は知らぬまま実の兄を手に掛けるのか…! みたいな展開になっていたけど、先生は賢くも察しておられたのね。「知ってたよ。あんたの愛は深すぎる…」だって。きゃ〜カワイイ! ちなみにあたいの愛も深いよ(←黙れ黙れ〜うっとうしい)。



 それでね、ラスト、二人とも生きていてくれて良かったんだけど…。



 とりあえずいろいろな伏線はきちんと回収されたみたいだし。



 龍谷村が人の寄りつかない村だった理由も。村の先祖がクジラを追ってきた外国人で、隠れキリシタンよりずっと前から密かにキリスト教を信仰していて、他の村とは交流を絶っていた、それで龍谷神社=教会だったなんていう目覚ましい設定で教えてくれたし。(そしてご兄弟は確かにその末裔的気配のお顔立ちかも〜)。



 しかし、美しい先生の姿に見とれながら、ラストはあ〜れま、そうなん?とちらっと思ってしまったの。ごめんね〜。



 あの伝説は間違っていたんじゃないかって、今は思います…と先生は淡々と言うけれど。鬼の手が神の手を消し去るというのが、弟が兄を殺すという意味ではなくて、弟が兄の力を消し去るという意味で、その後、役目を終えた鬼の手も力を失くすのだとしたら。



 キュート・ボーイズはハナから悩むことはなかったじゃないの〜、互いの力を相殺して普通の人として幸せに暮らせたじゃないの〜なんてちょっと思ってしまった。そこんとこ大事なのに、きっと数百年に一度のレアケースだから、きちんと正しい情報が構築されなかったのね。なんてね。



 でも、いろいろ知りたいことが分かってスッキリしました。



 まず、竜崎の謎めいた行動は、すべて、特殊能力を持ちつつ、人に利用されず生きていく術を弟に教えるためのもの、ということでいいのよね。




 そして、兄は最後のゲームとして弟を呼びだし、二つの選択肢を弟に突きつける訳ですが。その場で兄を殺すか、悪魔の手も世界に知らしめ、人としての感情を捨て非情になって神となり二人で世界を変えるか、という二つの選択肢をね。そういえば初回ビルの屋上で神のように非情とか、世界を変えるとか言うてはったものね。このあたりが、竜崎が何をしたかった人か、ということの答え、ということでいいかな。



 前回、兄は二人で生きたいのかと思ったけど、兄は弟が選ぶならどちらでもよかったのかしら。先生がどちらを選びそうか、おのずと分かる感じですしね〜。




 ところで、竜崎が力を世界にババ〜ンと知らしめちゃったのは、非情な神となって世界を変えるためにはそれが必要だったから、かしら。悪魔の手も世界に知らしめ、言うてはるし。



 どうも非情な神となって世界を変える…のあたりは、スケールの小さい私には今一つぴんとこなくて、よく分からないけどね。生を司る力、死を司る力、二つがそろってこそ神の手…のあたりは何となくそういうものかな〜という気がするのですが。シュールなお話だから分かろうとすることもないのだろうけど〜。



 でね、結局水中で弟が力を使って……どうやらお互いが力を失って、そして生きていて、ありがたくも先生は好きな教職の道に戻れて素敵だけれど。かなり撃たれていた兄が水中に落ちた上に神の手の力を失って、そして生きているって、エラク丈夫というか、すごい復元力だわ〜とか思ってしまって、ごめんなさい。先生がブクブクってなっている時に臣司が自分に力使ったとか? いったん治ってから改めて弟に殺してもらおうと思って?なんてくだくだ考えたりして、ほんと、うっとうしいわね、あたい。いろいろ勘違いも多いと思うので、このあたり気にしないでね。



 そうして竜崎がどういう人だったかというと。哀しい運命のもとメンドクサイ人になってしまっていたようだけど、父や弟を思いやる普通のエェ人やってんな。



 そして臣司によって力に向き合わされた先生はといえば、いろいろ混乱しながらも、やっぱりまっすぐな人のままでしたのね。



 沢村の依頼ってか命令を飲んだふりして、熊切父子を救ったり、意のままに利用しようとする沢村を力で牽制したり。先生は、悪魔の手を利用しようと寄ってくる人たちの言いなりにはならないで、悪魔の力を持ちながら人を救う方法を考え出したのですね。兄の若干伝わりにくい教えのおかげもあったのかな。



 そしてまた正しいと思ったことは、力に頼らず、ちゃんと出掛けて行って口で伝えるのよね。熊切父にそして坊に自首を勧めに行ったりして。榊大臣にも「竜崎の力はなくなったと公表して下さい」とか頼みに行ったのよねぇ。



 竜崎が特殊な力を持ちながらこの世で生きていく方法を彼なりに考え、伝えに行くという。それがすぐ「あっはいは〜い、オッケー」とか受け入れられることはないとしても。先生は正しく考え、そして具体的に動ける人でした。最初白川さんに相談されたとき、証拠がなければ…とか言って動かなかったことを思えば、先生は本件でより能動的に動ける好青年になったのかな。



 ということで、ずいぶん長くなったので他の方のことはちょちょっと触れるだけにしますが、特別な手に最も狂わされたのは沢村理事官で(佐々木さんがあまりにも目をくわぁっと見開き続けるから、ちょっと笑ってしまったわ)、その他の方は何とか踏みとどまって結構エェ人で終わった、という感じでしょうか。



 巽パパもただ逃げただけの人ではなかったし。二/宮が爆発現場に仕込んだ証拠は、起爆装置すり替えを沢村に命じられた時の特注の携帯でしたわね。そして、臣司を助けてやってくれ、あいつにかぶせた罪は俺が償うから、と二/宮は長谷部さんに叫ぶのよね。



 熊切坊はいつものひかるくんみたいになって白川さんに謝って自首すると言い、父はダメージがあってもそれを支えると言うし。(そう言えば、熊切パパの懐中のピストルを抜き取って、それはあなたのすべきことじゃないとか言って、先生はまた彼を救ったのよね。カッコえぇ〜)。



 榊大臣は初心に戻って光沢のないおとなしめなスーツで一から出直すし。えーと、それで、かわいい監察医の先生に関しては、面白がってちょこちょこ沢村に協力していたようだけど、ハナからそれ程はブレていなかったのかな。興味があるのはやっぱり力より死体だった、みたいな? で、興味の対象をいきものに移したのね〜って結局長くなってすみません。(一人忘れていたわ。ブレナイ長谷部さんは、私には、何かストーリーテラー的な感じがしたかも。彼女のセリフが色々教えてくれたというか)。



 さてさて、ラストの碧井先生はアップも多く、これで見納めと思うせいか、その美しさが切なく胸を打ちました。



 動くブロマイドみたいに秀麗なシーンが全編に散りばめられていて、挙げていったらキリがないかも。きっと皆さまが素敵に書いて下さるだろうし、印象に残ったものだけを短めに書きます(←とか言って長くなんのやろ)。



 え〜と、まず、煤がついたまま、瀕死の巽神父を見る目が深くて良い感じ。涼介と呼ばれて驚いたりして。俺の本当の父親?とベンチにくったり座るのもリアルだったような。せっかくのストライプシャツが汚れているのがまた素敵〜。




 実家で碧井パパママから、初めて自分の過去を聞いた先生の静かな動揺っぷりもナイス。そりゃ〜混乱もしますわね〜。気持ちの整理がつかない状態でも、「ありがとう、この家の子で良かった」なんていう先生の声が、標準語時のこそばいような優しい発声が、しばらく聞けないと思うと何だか寂しいです。通常の強め早口の関西弁も大好きだけどね。



 龍谷ダムに行く前、沢村と対峙するのも良かったな。沢村の大きな背中に手を当てて、この手で殺せるのは竜崎だけじゃない、竜崎を殺すかどうかは自分で決める、「でも、その前に、あなただ」とか言うあたりのセリフ回しが好きでした。ひそやかな中に抑えた激情が見える感じで。



 沢村に払いのけられたら、先生は飛んじゃったけど、沢村を見据える先生の眼は強くて良かったわ〜。白眼も青白く、迫力がありました。しかし亮ちゃん、目がおっきいな。バラエティーなどでは眠たげな瞳を見かけることも多いけれど、見開くとほんとに大きな瞳だわ。



それから、熊切パパのピストルを取り上げるあたり、熊切パパの(まだお若いけれど)貫禄のある手の甲と、先生のつるんとした手の甲を思わず見比べてしまって、わ〜先生の手キレイ〜若いって素晴らしい〜と思いました。このあたり、お顔もキュートだったような。全編そうだけど(くどい)。



 そしてそして、ダムの美兄弟シーンは見所がありすぎて、どう書いていいか途方に暮れますな。とりあえず、白シャツにジーンズで人込みをかき分けていく先生がやたらカッコ良かったです。流星の時にも思ったんだけど、引きで見ると先生はすごく頭ちっちゃくてスタイル良くてカッコいいわよね。近くから見ても、もちろんカッコいいけど。そして白シャツの袖のグレーは、下のグレーシャツが長Tでそれを折り返しているのか、それともそういうシャツなのか…なんてまた、うだうだ考えていてすみません。



 そしてアウトドアでのちょっと眩しげな瞳や彫りの深いお顔の陰影も愛しかったです。



 実の兄と察し、その深い愛情を感じ、初めて分かり合えたのに。兄弟だからこそ、兄から与えられた最後の試練(望み)から逃げる訳にはいかない、この悪魔の手で神の手をこの世から葬り去る…なんて言って目に涙を光らせて、ガッと兄の首をつかむ先生……素敵だったわ〜。キレイな垂れ目がまた哀しくて…。



 でも……できなくて、手を下す先生も。なぜ殺さん!とガンを構えた沢村に気付き、兄をかばって腕を撃たれる先生も。苦しみながら、兄に、力を使うな!という先生も。アップの苦痛の顔も。



 腕を撃たれて力を使えず、まったく世話のやける弟だ…と兄の力で治されて。再び兄の首に手を掛ける先生の泣き声の「アニキ…」も、頬を伝う涙も。ダムに落ちそうな兄の腕をガッとつかんで、涙を流しながら、二人なら生きていける…と必死で言う先生も。ことごとく素晴らしかったです〜。



 素肌美人さんズだから水中の二人も美麗でしたわ。先生のマツゲに気泡がついて、水面から射す光でマツゲが目の下に影を作っていて、おそるべし錦戸亮の長マツゲ!と再び思いました。水中などでは髪とかでいろいろカバーできないけど、雰囲気美人さんじゃなくて、ガッツリ男前だから大丈夫で良いわ〜。水中の先生は目を見開いても、目を閉じても、美しかったです。



 最後、高校で男子生徒にあおいっちジュース奢ってとか言われている先生も、ちょっとだけ前より大人になった感じで素敵でした。僕には教師の仕事しかありません…なんて錦戸亮の男前顔で言うから、内心、うそやろとか思いたくなってしまうけど、そう言う首の角度がちゃんと教師っぽい気がしましたわ。



 ラスト、段ボールワンコのくだりは、ちょっと見通しもきく土手だし、ご兄弟同士、見えんじゃね?なんて子供みたいなことを思ってすみません。あそこで再会するのも何だしね。もう普通の人になったから、それぞれ生きていけるのでしょうしね。生きていればいつかまた会って、小さい時のように弟の笑顔が兄を癒す日が来るかもしれないし。なんてね。最後までツマンナイこと言っていてごめん〜。



 いや〜3か月楽しませてもらいましたわ〜。視聴率がアレで、最初はどうなることかと思ったんだけど。亮ちゃんはあまり気にされていなそうというか(分からないけどね)、いつも通りの自然体で、滝様と共演できたことを純粋に喜んでおられたみたいなので、安心してドラマを見られた気がします。



 ちょっと私も精神力がついたかもしれないから、次、いつドラマの主演が来ても大丈夫よ〜!!