犬を飼うということ・初回

 たいしたことは書いていないけど、ネタばれにご注意下さい。















 「犬を飼うということ」初回、面白かったです。これからどんな風に本郷家が崩壊しかけて、どんな風に再生していくのか、早く先が見たいわ。




 いや〜、この子だけ、この人だけ助かればいいのか、というのは永遠の課題ですね。本郷家のハワイ旅行貯金箱と、ワンちゃんを永遠に眠らせる箱が同じ名前なのが切ないわ。





 そして、座長は立派に主演を務めておられたと思います。今更だけど、みごとな標準語。演技も、相変わらず、さりげないのにリアリティがあって素敵。





 表情の演技では、前から似たようなことを書いていますが、驚く表情に薄笑みが混じったりするのがリアルで好きでした(いずみやさんの哀しい嘘が分かった時とかね)。




 歩道橋でいずみやさんに殴られたのを眞子ちゃんに見られるあたりも、何か色々な気持ちが見える気がして見事だと思いました。眞子ちゃんに気づいて、ちょっと驚いて、少々ばつが悪そうにして、でも平気っぽく「おぅ」と言って小さく笑うのとか、良いわ〜。





 それから、今までのドラマでも、眉の一方だけひょいと上がったりするのを見たけど。今回もまた、片口角がかすかに寄ったり、奥歯を噛みしめるみたいに頬がピクっと動いたり、というわずかな動きで、勇次さんの気持ちが伝わってくるのがナイス!あたくしも頬ピクやってみたけど、できないよ(←だから、あなたはいいんだってば)。




 そして、バサバサまつげの憂いの瞳が、潤んだり、伏し目になったり、上目遣いになったりして、饒舌に物を言うことは、言うまでもありませんね。やっぱり座長の表情の演技は素晴らしいわ。






 さらに、セリフ回しも、劇画調でないというか、とても自然で良いと思います。時々、おっ、そこ声張らないで、こっちなんだ、とか、おーそこで間が入るんだ、みたいなちょっと意外な時があるのも、新鮮で妙にリアルだという。




 飲み屋さんでいずみやさんに本郷家の夢の箱の話をするあたりなんか、実際、飲み屋で上司に話をしているみたいだったわ。




 ちくわカレーの食卓で、マサルくんに、「もういいから坐れってもう」とイスを引くあたりとか、飲んで帰って「ご飯は?」「うん、食べようかな」のあたりのセリフ回しも自然で良かったな。勇次さんは若くてやたら男前だけど、ちゃんと父に、夫に、見えました。




 彼の演技は、たとえば、哀しい時、ホラこれこれこ〜んなに哀しいのですよ、と覆いかぶさるように説明し倒す感じではありませんでしょう?そんな関係からか、ネットとかで彼の演技の良さを理解してくれない方を時折見かけて、何だとぅ〜?!と思うのだけど。




 そんな時、そこがすごいねん、前のめりになって色々説明し倒さんでも、めっちゃ「哀しい」が伝わんねん! 素っ晴らしいやないの!とエセ関西弁であたくしは叫んでいるのよ〜。




 アクの強い役でも何でもOKですが、今回のような、ささやかな日常を丁寧に扱った、小さな、でも重みのあるお話の主演を務めるには、ぴったりの俳優さんだと思うな。何気ない日常を、さりげなく、でも細やかに切り取ることができるから。





 いや〜しかし、全編うるうるクリクリ瞳の子犬ちゃんズが見上げてくるから、キュンキュン胸が締め付けられっぱなしでした。スカイちゃんと眞子ちゃんは、ほぼ同じに見えるの、あたくしには。マサルくんもまたカワイくてやんちゃなクール子ワンコですわね。




 アサミさんもキャンキャン言うし、鼻筋といい上がり目のあたりといい、美人さんワンコ風かも(アサミさんの、こ〜るぁ、マサル〜、みたいな巻き舌、ナイスでした)。




 そしてまた、あのスーツ着たのんが、良い!おチビのぬれ子犬ちゃんズの中の、濡れ仔犬ですわね。最初に濡れ仔犬と書かれたのは、どこかのテレビ誌の方だったかな。さすが、プロは上手いこと言わはります。イタイケなだけじゃなくて、憂いと色気も備えたワンコ感が伝わる表記よね。えぇ。





 そして、その濡れ仔犬が奥さんに叱られてしょげているあたり、「何も分かってない!」と叫ばれて「えっ」と動揺してうるうる瞳で見上げているあたり。「犬を飼うということ」全広報担当だけでなく、一般視聴者の方もキュ〜ンキュンされたに違いないわ。きっとそうだわ。




 その他、細かいですけど、歩きながら慌ててネクタイを締めた後、体を傾けてスーツのズボンのポケットから小銭を探って出すのとか、眞子ちゃんの前にしゃがんで目線を合わせて言う「眞子、お父さん、走る!」とかもキュートでした。




 全般的に、自分をお父さん呼びするのが板についていたような。ひょっとしてご自分のワンちゃんたちに「お父さんはねー」とか話しておられたりするのかしら。ふふ。





 ためらいまじりの「飼えない…かな…」も、こぶしで頬を叩くのも良かったな。




 そしてラスト「うちのことは俺が決めるんだ」のあたりは、頼もしくて素敵でした。ジョーカーラストの「俺が背負ってやる」もそうだったけど、精悍なお顔立ちだし、背筋をピシッと伸ばした男らしいシーンももちろん、カッコ良いですわね。




 ま、その時は既に、力のある幸子ママが決定を下していたわけですが。頼りないけれど、真面目で、一家の大黒柱であろうと頑張ってもいるのね、と勇次さんにすっかり感情移入してしまったあたくしであります。




 さらに、その好ましい勇次さんと、本郷家の皆さんの映像のバックに主題歌が流れ、あの子達の声、あの子達のハーモニーが聞こえて、そして、高音のキレイな勇次さんのサビソロが聞こえて、あたくしはもう感無量でありました。はぁ〜。すごい。晴れがましいというか、ようやくというか…。




 主題歌もお話の展開とリンクして、ドラマを見た方にとって忘れられないものになっていけばいいなと思います。




 以上、初回の、長くて拙い感想でした。



 次回も期待できるわ〜。