犬を飼うということ・2

 二回目も面白かったです。



 冒頭、スカイちゃんの夜泣きで勇次パパが目を覚まして、ド真横の幸子さんを起こそうとするシーンでは、周囲に物が迫っている関係でしょうけど、あ〜んなにお布団をくっ付けて、何と恵まれた環境!なんて心で叫んだり。




 よし、食うか、なんて言って、スカイちゃんに人間用(安物)ウィンナーを食べさせちゃうシーンでは、ウマイか?みたいに微笑む勇次パパの、砂糖菓子の笑顔(←またこれでごめん)にフニャっとしたり。はじめは邪念に満ちて見ていたのですが。




 その後、気付けば、こんなヒネクレ者のあたくしが、すっかり物語に引き込まれていたのであります。派手な事件もないし、展開もsteadyなのに、思わず見入ってしまう、先が知りたくなるドラマですわね。




 エンターテインメントだから、ハイソな人々の高級フルーツ・牛肉等のお買物事情とか、ハイソ母子のイヂワルっぷりとか、ちと誇張があるのかもしれないけど(それとも、マジなん?)。




 ワンちゃんのこと以外にも、夢を諦めた人と、夢を追い続けながら揺れている人、リストラされる年長者と、年若いのにそれを言い渡す人、等々、勇次パパ周りのエピソードがリアルで何だか胸に響くのよ〜。




 本郷家のやりとりも、初回から良かったけど、さらに自然で楽しくて、ウィンナーじゃんけんとか、微笑ましかったな。





 しか〜し、会社でも団地でも本郷家でも、ルールがあって、そのルールは守らなければ、という前提があるとすれば、今後どうやってスカイちゃんを飼っていくのかしらん。





 夢の箱貯金を着服したマサルくんを、同罪で、しかも眞子ちゃんに現場を目撃されても、それを黙っていた勇次パパが、そこまで強く叱ることができなかったのが。ラスト、土下座で白状して謝ってはったのは、それは、やっぱりルールは守ろう、ということなのでしょう?





 主にご自分が稼いだお金ではあるものの、皆で使おうと決めたお金だから、そのルールを破って、ごめんなさい!という。





 その一方で、ママ・眞子コンビが団地のルールを破って、晴れやかにスカイちゃんを連れて団地を歩くシーンのココロは、何なんだろう。これからどうするんだろう。





 「飼います!」と言った勇次パパは頼もしかったけど、今後どうやって「皆で生き延びる」んだろう。





 なんて思っているあたくしは、すっかり作り手の術中に陥っているのかもね。それって、素敵や〜ん。





 そして次回はもっと大変なことが起きそうで、ますます目が離せませんね。





 さて、今回は簡潔に!をモットーにしているので(ほんまか)、あとは印象に残った勇次パパのシーンをなぐり書いて失礼する所存です。




 まず、冒頭、「犬飼ってませんよね?」的な戸口調査に「一軒ずつ回ってる!」とビビる様子とか、本郷家の面々とトーテムポール風にドアから廊下をのぞくのとか、キュートだったな。




 それからワンちゃんのカラーの高額さにたじろぐのも良かったし、風に吹かれて路上ライブを見る寂しげな表情・うつむきがちな笑顔にも心惹かれました。見ていて切なくなるのよね。




 あと、話は前後するけど、屋上での「(濁点つき)あ〜〜」という伸びも「僕の土下座は本気に見えるそうですが」の言い方とかも好きでした。そういえば勇次パパの土下座は綺麗ですね。ちょっと安兵衛さんみたい。




 そして最も印象に残ったシーンと言えば、夢の箱貯金着服事件の前後でしょうか。




 眞子ちゃんに現場を見られた時の表情も、翌朝、饒舌になる様子も、眞子ちゃんと目が合って微妙な表情を浮かべるのも、素晴らしい。




 さらに。同罪だし、目撃者の眞子ちゃんがうるうる見上げているし。だけど、幸子ママの手前、マサルくんをきっちり叱らなくてはならなくて、時折眞子ちゃんを哀しい目で見ながら、ちょっと自分に言っているみたいに、何とか通り一遍の叱責をする、というくだりもナイス!




 そして「それだけ?」と激昂しまくる幸子ママに「お父さんっ!」と叫ばれて、ビクッとして「はいっ」と涙目で見上げる表情は、濡れ仔犬の真骨頂というか、もう濡れ仔犬すぎるやろ、というか、実際ほんとにワンコなんじゃないの?みたいな感じでした。もし、あれを見てきゅんと来ない人がいるとしたら、飛んで行って、なぜなん?どしてなん?と聞きたいわ。



 はぁ〜。次回も様々な表情が見られるかな。ストーリーも気になるし、金曜日が待ち遠しいですね。