犬を飼うということ・7

 7回も良かった〜。もうすぐ本郷家の人々ともお別れかと思うと、一つひとつのシーンが大切な、いとおしいものに感じました。手をつなぐ小さな兄妹の姿とか、可愛かったな〜。




 今回は、幸ママと勇次パパのお話でしたのね。互いに、相手の夢をあきらめさせたかな、家庭に縛りつけたかなと、心の中でどこか、ずっと引っかかっていた二人。




 でも、そんな風に思い合う二人が、一番大切にしているのは、お互いのこと、子供たちのこと、家族のことだと確かめ合ったというか、いわゆる絆を深め合った回でしたでしょうか。




 幸ママは勇次パパの為に、堀田先生に50万借りるけれど。その前に、別途、先生が自発的に10万用意した時はブチギレて、呼びとめる声も無視して怒り去ったのに、その後でああいうことを頼むのは、さぞバツが悪くて、勇気のいることだったでしょう。




 先生も「びっくりしたよ」とおっしゃっていたものね。あたいもちょっとびっくりしたりして。しかし、そこをあえて、押して頼んだということは、それだけ勇次パパへの想いが強いということかな。そして、そのあたりの流れを作るために、今回、堀田先生のブレっぷりが濃い目だったのかしら。




 そして、勇次パパは、工面してもらった50万を最初は使おうとするのね。ヒデくんの為に。ヒデくんの譜面を見て(譜面をお布団で隠すのカワイかった)、曲を聞いて、心に響くものがあったから、15年分の彼の想いは本物だと感じたから、インチキくさい話でもチャンスに賭けさせてあげたい、と。自分がどうこうでなく、ヒデくんの為に。




 君も一緒にデビューして、君が残れ、君の方が売れるから、ってなことを言ったプロデューサーさんを突き飛ばして、その後、「お願いします!」と頭を下げて「二度と、ヒデと、ヒデの音楽に近づかないで下さい」と言うのですものね。そのあたりをヒデくんも見て、聞いてしまったのは、切なかったけれど、しかし勇次パパ、エェやつや〜ん、男前!




 前に、ストリートライブの様子を見て、寂しそうなお顔をしてはった気がしたのですが、今や、勇次パパが音楽に対して抱いているのは、未練ではなくて、かつての夢への感傷みたいなものなのかもね。





 今でも音楽は好きみたいだけど。勇次パパにとって、何より大切なのは、愛するものたちと一緒に生きていくことで、そんな自分に、悔いとか迷いとか、全然ないのね。男らしい!





 そして、大切な家庭を、家族を守るためなら、うっすい体で日雇いもするし。どんな職種でもかまわない、何でもすると。「カミさんの同級生」に仕事を紹介してもらったのは、情けないけど、しょうがない、プライドとか気にしている場合じゃない、というスタンスの勇次パパは、すごくカッコいい!と思います。





 時に、「こんな時間までどこで何してたんだよ」「俺に言えないようなことなのか」のセリフですけど、あたしゃてっきり奈良橋先生が帰ったあとのシーンかと思っていましたら。先生も同席されていたのね。あらまぁ。スカイが帰って来ると知っていて、なぜ…とずっと心配していたから、つい、先生の前でも言わずにはいられなかったのかな。それくらい勇次パパも幸ママへの想いが強いということかな。





 なにせ、「なんかね、メールがきてね。そしたらすぐおかあさん、うれしそうなおかおになって、いそいでいいおようふくきて、おけしょうして、おでかけした」ですものね。それは気になるわね。噂のこともあるし。





 しかし、その後、本郷家の家計の逼迫っぷりまで、先生の前で露呈しちゃうのね。そこまでリアルに切羽詰まった夫婦のいさかいさえ、スカイは、ペットは、和らげるという流れなのかな。そして最初はコワかった先生が今や勇次パパと飲みに行ったり、手術代の心配をしてくれたり、ずいぶん本郷家と密に交流を持つようになったのも、またスカイのおかげということかな。






 ところで、このあたりの、マサルくんの「ちょっとお客さんがいるのにさ〜」とか、↑に書いた堀田先生の「僕もびっくりしたよ」とか。「ダメじゃないの、妊婦さんが自転車なんか…」とか、スカイを連れてきてくれるという奈良橋先生に幸ママが「えっ?!…でも…」と言うのとか、etcは。





ひょっとしたら、視聴者の声の代弁というか、できるだけ見る人の違和感をなくす為のご配慮というか、若干アレなのは分かっているけど、あえての演出なのよ〜的アピールなのかもね、なんてちらっと思いました。あたいみたいなコうるさいのがいるから。な〜んてね。




さて、次は最終章ということですが。




「奇跡をさ、信じようよ」の奇跡は、「いろんな意味で」の奇跡みたいね。幸ママも「奇跡っていうのは、起きるから奇跡なんだから」と、ヒデくんも「奇跡なんてのはさ、いつどこでどんな風に起きるかなんて誰にも分かんねぇだろ」と言っていたし、何か奇跡が起こりそうだけど。どんな、いろんな意味の奇跡なのかしら。




 もっとも、今まで家族が笑ったささやかなあれやこれやが、既にスカイが起こした奇跡みたいだけどね。




 そして、ついに「犬を飼ってはいけないルール」に向き合わざるを得ないようだし(良かったわ、ずっと気になっていたから)、ラスト、どんな風にフィニッシュが決められるのか、見るのがとっても楽しみです。





 さてさて、今週も、印象に残った勇次パパのシーンを書いて退散致そうかと。






 のっけから、「卵かけごはん」の発音が、んもう、カワイイ、みたいな(とか言っていてはいかんのかな。でもカワイイよね)。




 そして、起きぬけのホームウェア姿でも何かもう色っぽいし、お顔も男前というね〜。スカイのお皿を手にしてうつむくアップとか。スカイは大丈夫よ、と言われて、一瞬見せたザ・錦戸スマイルも良かったな。(それを受けた幸ママの笑顔も素敵でした。あさみさんのああいう柔らかい表情、久しぶりに見たからか、印象的でした)。




 幸ママから「変な噂立てられてる。あたしと堀田くんがつきあってるんじゃないかって」と言われた時、笑いながら「はぁ?」っていうのも、すばらしい。ああいうのって、難しいのに(←あんた、またやってみてるね?) めっちゃ自然。泣きの錦戸は、笑いの錦戸でもあるのだ!




 教会前のヤングなお二人は、ちょっとくすぐったくって、新鮮。退院したスカイを嬉しそうに見る、ワンコがここにも!な笑顔もキュートでした。





 そして、酔っ払って玄関ゴロン、お布団ゴロンの酔っ払いパパがキュートすぎましたね!





 エリマキトカゲ状のスカイを抱いて、たっかい声で「スカイちゃん、カワイイね」とか何とかホザイて、エ,エ,エ,エ,イェ〜イとかスカイを揺するのとか。何あのカワイイ生物は!




 そしてちょっとあどけないお顔でお布団ゴロンの無防備な風情とか!眞子ちゃん、ああいうのは、みっともない〜!とは言わないのよ、カワイイ〜!なのよ(←何言うとんねん)。いや〜、ああいうのを放置していたら危ないわ〜。あっと言う間にとられちゃうよ。



 バッと指さして「眞子のお友達だヨ!」とわめくのも良かったな。亮ちゃん、あんなん上手やんな。ファン以外の一般の方は、クールな錦戸くんが意外、と思われるかしら。私も良くは知らないけど、あの青年はコンサート終盤とか、ナゾのテンションの時もおありで、なんかオカシイというか楽しい側面もかなりお持ちよね。




 ヒデくんとのシーンでは、(ヒデくんの涙もキレイだったけれど)、今更ながら勇次パパの涙目は、リアルに切なくて、何というか、ずーんと胸に迫るというか、やけにグッとくると、改めて思いました。





 前に1リットル〜の感想で、男の人が、初めて、男の子が泣くのを見て泣いた、と書いていらして、それ何か分かるな〜と思ったのを思い出します。





 「奇跡をさ、信じようよ」とか、終盤の幸ママとのシーンとか、その他でも、今回何度となくウルウルの瞳になっていた気がして、さすがの感性!と思いました。




 そしてその終盤の幸ママとのシーンですが、噂通り、すごく良かったです。幸ママのヘタっぴな嘘を優しく暴いていく勇次パパの、懐の深い感じが心に沁みました。




 お金がなくて子供たちを、家族を泣かせたエピソードを淡々と重ねていって、次第に潤む瞳で「本当はお金あったのに」と静かに繰り返すのが、良いわ〜。




 そういうことを一つひとつ細かく覚えているのも、家族を大切に思っている感じが出ていてナイスなセリフだけれど、勇次パパの言い方と表情もベストだったと思うな。錦戸亮の真骨頂というか。




 でも、幸ママのそんなこんなも、勇次パパを思ってのことだから。




 微笑んで「ヴァ〜カ!」なんて言って、「借りた人には、きちんと返して」と封筒を渡して、「……ありがとな」って言うあたりも、超イカス!そして寄り添った幸ママの肩に手をまわして、親指で肩をちょっと撫でるのが、またニクイわ〜。幸ママを優しく包み込む勇次パパ、素敵よ〜!




 で、その後のアップも涙の瞳キラキラで美しかったし、幸ママの肩を抱いた勇次パパのバックショット立ち姿が、また、えらくカッコ良かったです。ただ佇む後ろ姿さえ、絵になるというね。さすがです。




 そして、ラスト、異変があったらしいスカイの元に駆けつけるスローモーションのパパも素敵でしたとも〜!




 はぁ〜こんな素敵な勇次パパも見収めだから(泣)、来週は一層じろじろ見ちゃおっと(←コワい)。