犬を飼うということ・最終回

 最終回、良かったです。泣きました。笑いました。感動しました。



 時々我ながら青い血が流れてるんちゃうかと思うような、あんまり泣かないあたくしですが、序盤、本郷家とともにダダ泣きでしたわ。ドッグフードが残ったままのスカイのお皿とか、スカイに手を合わせる眞子ちゃんの震える小さな肩とか、思い出したら、また泣けるくらい悲しかったけれど。




 後半は、にぎやかで楽しくて笑って、かと思うと、勇次パパの言葉をしみじみ反芻したりもして、最終回、本当に濃くて素敵な60分を本郷家と一緒に過ごすことができました。




 胸にストンと落ちるナイスなラストだったと思います。




 座長さんが皆に慕われて、信頼されて、盛り立てられて、とても楽しい雰囲気だったという現場の、熱気や弾みが伝わってくるドラマでしたね。監督さんまでもが、クランクアップで涙されたとか。彼の初主演がこのドラマで良かった〜!




 毎週金曜が楽しみでしたとも。スカイツリーの完成した年に、このドラマを見たことは、本当にずっと忘れないと思います。大掛かりではないけれど、見た後、ささやかな日常を心から愛おしく思えるような、暖かいドラマでした。




 そしてクランクインの日に、そういう日常を瞬時に失った方が、あまりにたくさんいらしたことも、きっとずっと忘れないと思います。




 普段あってあたりまえ、と思っているものが、かけがえのない大切なものなのだと、痛いほど感じた春でした。



「これから先、気を紛らわそうとか、考えないようにしようとか、そういうの止めない?何かを失ったら失ったことを悲しむんじゃなくて、そっから目そらすんじゃなくてさ、大事なのはそれが、自分達にとってどれだけ大切だったか、いつも普通に思っていられることなんじゃないかな」という勇次パパの言葉ですが。



 愛するものを失った時、現実の世界では、そうできるまでには、かなり時間がかかる、というか、「ひにちぐすり」が必要なのではないかと思うけれど。喪失感に苛まれる涙の日々の果てに、勇次パパの言うようにできたらいいだろうな、と思いました。それが、そのことを受け止めて、乗り越えていくことなのかな、と。




 皆でたくさんお話して、忘れずにずっと覚えている。お一人の場合は、自分の胸のうちで色々思いだして、忘れずにずっと覚えている。そうできたらいいのだろうな〜と思いました。




 繰り返しになりますが、ナイスなラストだったと思います。




 ちと、ここから通常トーンに戻させて頂くと。例えばさ〜、ベビちゃんが生まれて、スカイの生まれ変わりだ、とかいうてな、「空」と名付ける、とかだったら、ちょっとヤだけど。双子ちゃんが誕生して、これからもっとバリバリいかなアカン、みたいな勢いのある感じ、良かったです〜。




 しかし、新生児に出演してもらう訳にはいかないので、いきなり立派な赤ちゃんが二人も出てきて、びっくりするやら、面白いやらで、おとなげないとは知りつつ「あんなん二人も入るかいっ!」なんて叫んだりして。しかし、あの二人良く太っていて超カワイかった〜!勇次パパが抱っこしていたベビちゃんなんか、しっかりした面構えで、眉なんかグッと力があって…って女の子ちゃんにそんなん言うたら、失礼ね。ふふ。




 それから、車の中で頭出た、て…それもう出るよ、危険よ、とか。幸ママの痛がり方はすごく上手だったけど、陣痛の、波がある感じを出してくれると、よりリアルかも、とか。お産は人それぞれなのに、しょーもない癖で、細かいことを色々考えたりして。



 そして、できれば、犬を飼ってはいけないルールに、本郷家自身がもうちょっとはっきり向き合ってくれたらより嬉しかったな、とも思ったりして。結構長い間気になっていたものですから。




 …なんて、つべこべ言っていると、その実、あんまりストンと胸に落ちていないかのように見えるといけないけど、それは、ないのよ〜。本当に好きな終わり方でした〜。




 最後のハワイ旅行の懸賞が外れだったのも好みでしたし。



 勇次パパがスカイツリーをお掃除する会社の人(ってか取締役!キュートな取締役ね〜)になって、初回の眞子ちゃんの夢と繋がったのも良かったし。(眞子ちゃんが、ズルイっ、私の夢なのにっ、とふくれるのも可愛かったですね)。




 スカイツリーが完成する頃、初回からは見違えるような進化を遂げていた(ってポケモンか)本郷家の人々を見届けて、本当に明日から頑張ろうと思える、素敵な、気持ちの良い最終回でした〜。




 さて、今回は最終回記念ということで主要キャスト・お一人ずつの、印象に残ったシーン等について、ちょっとずつ書いてみようかなと。




 まずマサルくんについて書かせて頂くと。今回あたくし、マサルくんにちょっと惚れそうになってしまった(←朔さん、ちょっと犯罪臭漂ってるよ〜)。




 奈良橋先生におとむらいのことを教わってきて、テキパキと動いて、眞子ちゃんの手を合わせてあげるマサルくんは、ちっこいながらも頼れる男子でしたわ〜。(奈良橋先生の指示を)「お母ちゃんも聞いていたけど、なんかダメっぽかったみたい」の言い方が最高でした。将来楽しみな感性だわ〜。(ちなみにこのシーン、いつもは強いのにダメっぽかったという幸ママを見る勇次さんの瞳がクリクリ)。




 そして「あとは父ちゃん、やるから。頑張ったな、マサル。偉かったぞ。ありがとな」と言われて、堰を切ったように泣きだすのもすばらしかった〜。実にやるヤツですわね。勇次パパの父ちゃんっぷりも、まさに父親そのものでした〜。




 次に幸ママのことに移りますと、最終回の演技のことではないのですけれど。番宣で見かけたオフショットで、↑のシーンあたりのモニターチェックをされていたのかしら、マサルくんの演技に思わず素で泣いて「マサル〜良いじゃ〜ん」と涙声でおっしゃっていたのが印象的でした。前回も書いたように演技の泣きもきれいだし、普段もピュアでカワイイ、素敵な女優さんなんだな〜と思いました。標準語がお上手なところもいいな。




 さて、大黒柱が泣きの天才であるだけに、全員の涙が自然で胸を打つ本郷家ですが、とりわけ眞子ちゃんの涙は本当にすごかったです。そしてしずかちゃんに「おとうさんって、すっごいがんばるんだから」と言うあたりも、泣けたわ〜。さすがスカイのお母さん、幼いながら正しくて強くて、そして愛らしい!全国のお父さんたちが聞いたら、きっともっと頑張っちゃう!現実には、眞子ちゃんみたいな子はそうそういないのでは、と思われ、この現代のファンタジー(最近これオシ)の権化みたいな存在ねと思いました。




 そしてそしてダイヤちゃんの名女優っぷりにも舌を巻きましたとも。弱々しく横たわる姿とか、悲しかったわ〜。ダイヤちゃんのおかげでより素敵なドラマになりましたね。ドラマ始まりの頃の番宣で、勇次パパがダイヤちゃんを抱っこしているのも、ナイス!と思いました。犬あしらいが上手いのが犬好きさんに伝わって好感度アップしたと思うし、抱っこしていたら腕組みもできないしね。これからの番宣でも、ダイヤちゃんを抱っこしてもらいたいくらいです(←んな無茶な)。




 本郷家以外の面々では。堀田先生は、車でマサルくんに「おっちゃん、金持ち?」と言われて、「おっ、おっちゃん…?」とか動揺しているあたりがキュートでした。先生は幸ママに片思いしていたのね。ふふ。あっそういえば、日本人に言う時は別にエェけど、おめでとう!と海外の人に言う時、良い子は「コングラチュレーションズ!」と最後にズをつけましょう(←面倒くさい中高年でごめん)。




 お茶目な窪田さんは、松茸ハモすき焼きシーンの「良い家族に拾われたなぁ」のあたりのしんみりしたシーンと、その後、物を投げちゃったりなんかしてアバレている弾けた様子が印象的でした〜。(ちなみに、違います、俺ら家族をこいつが拾ってくれたんすよ、のあたり、勇次パパの声もさわやかで、良いセリフだった〜)。




 過去シーンも入れると、窪田さんは、病院で危険な手つきでプリチーにリンゴをむくところが一番好きだったな。時々顔をくしゃっとさせるのとか、とっても味のある方ですわね。(味があるといえば窪田さんの奥様もそう。ビューティフルライフだっけ、キムタさんのドラマでトキワさんのママ役をやられた時からファンです)。




 これまたお茶目な奈良橋先生は、もう「ましゃる〜」のコワレっぷりが素敵すぎました。マサルくんが獣医になりたい、と言った瞬間の表情も、すばらしい!さすが。




 続いて、クロスロードのマスターは、言葉に英語をまじえても、ルーさんみたいにならないのは、お人柄かしら、と思いました。本郷家を優しく見守っていたマスターは、素でも優しい方なんだろうな〜と思いました。




 そしてヒデくんは、ちょっと前のことですけれど、クロスロードで酔いつぶれた後に目を覚ます、みたいなシーンが印象的でした。あんなこぎれいなお兄さんなのに、ちょっとやさぐれた風にタバコに火をつけて、通常より少しハスキーな声でしゃべったりするのが、とてもそれらしく見えて、さすが俳優さん、と思いました。



 そしてそのややハスキーな声がちょっと勇次パパに似ていた気がして。予告で「勇次はさ、もう自由になれないのかな」っていうのを聞いた時、最初、勇次パパが言っているのかと思っちゃった。どうした勇次パパ、イタイケな乙女みたいに自分の名前呼びか?とか一瞬思ったアタクシったらおバカさん。



 しずかちゃん母子も良かったな。しずかちゃんママは過去シーンでシュークリーム(だったと思う)にかぶりつく風情が秀逸で好きでした。しずかちゃんはいつも、遊んであげる、ここにお泊りしてあげる、と上からな感じがイケていました。ちっこいのにリボンタイのブラウスなんか着て、酔っ払い勇次パパにビビってママの助けを呼ぶあたりも良かったな〜。あたくしは勇次パパのカワイさにビビったけど。




 あと、小学校の先生も素敵でしたわ。とても先生らしかったというか。年を経てすっかり汚れっちまったあたくしも、あの先生に「そんなことはありませんよ」とか、優しく正しく諭されたいかも(あんた、もう矯正不能と思うがね)。




 記念すべき初主演ドラマの素敵なキャストの方々を、あたくしはこれからもずっと、しつこく覚えていると思います。




 おっと忘れていた。ラストのイケメンスーパー店員さんも、標準語で普段の調子多少抑えめの演技が良い感じでしたわ。しかし、皆さんにイケメン設定が伝わったかしら?なんて、うそ、しんごさんは素敵よ〜。





 ということで、ようやく最後に、勇次パパのことですけれども。




 とりあえず、破壊力マックスだった「泣き」と「ちゅっ」のことを先に書こうかな。話が前後するけど、これをまず書かないと体に悪いので、とりあえず「ちゅっ」のことを。




 あれ、皆さん、お倒れになったでしょう?バッタバッタと。



 不意打ちで、きゃあっみたいな。たぶん彼の「ほっぺにちゅっ」シーンはドラマでは初めて見たと思うんだけど、ちょっとドキッとして、すんごくカワイくて、めちゃくちゃ良いわね。





 さっきも書いたけど、あたくしは勇次パパが抱っこしていた赤ちゃんの、しっかりした面構えに一瞬見とれていて、勇次パパが幸ママに接近したことをあまり意識していなかったのよ〜。




 一般的ちっすなら、ボーイズがちょっとアゴ持って女子に上向かせたりとか、気配的にも、おっ来る来る…みたいなのがあったりすると思うけど(あんた何言うてんの)。



 「ほっぺにちゅっ」はそういうのなしで、多少強引というか、いきなりだから、あらまっ!! なんて、びっくりしちゃって、いわゆるキュンキュンしたってやつ?へへ(←若い人のマネ、恥ずかしいなら書くのやめなさい)。「ちゅっ」して「お疲れ」ってささやくのも良かったですね〜。キュートで優しくて。まったく、あたくしがベビちゃんに見とれている間に、ちゃっかり腕を後ろに回して、ちゅっなんて(あんた関係ないやろ)、やるもんだわ、勇次パパ!



 てるてるで軽くハグしたと思ったら、ラスフレでは(あたしゃ清らかだと思ったけど)アイドルにしてはきちんとした(?)ちっすをして、うぶな若侍・安兵衛さんもひろこ殿のちっすをぎこちなく受けていたりしたけど(カワイイ)、今回の勇次パパのちゅっが一番好きかも。子供の前というのが、また良いわね。




 目を丸くするマサルくんも眞子ちゃんもカワイくて、楽しくも幸せそうな本郷家を見て、こちらも、いわゆるニマニマしたってやつでございましたわ。えぇ。うふふ(←恥ずかしいなら書くのやめなさいってば)。




 そういえば、話はそれるけど、先日、同世代の一般友とランチしていたら、姐御肌のサバサバした人が突然、毎朝いってらっしゃいのちっすをするんだと言いだして。皆で「ギャ〜っ!口?口?」なんて小学生かっ!!みたいに騒いで、店内の人全員に振りむかれるということがあったのよ〜。大学生の娘さんズの前でもすんねんて〜。自分の身に置き換えて「うわっ、虫唾が走る〜」とか叫ぶ人もいたけど。



 でも素敵なことよね。別の一人が言うには、パパママの仲が良いと子供のIQが上がるんですってよ。その人は僕ちゃんが今年T大に入ったから、あなたのとこ仲良かったっけ?って聞いたら、おかしいわねって首を傾げていました。(ただでさえ長いのに脱線してごめん)。




 さ〜て、お話は続いて珠玉の泣きシーンに移りますけれど。スタッフさんもブログで、さすが錦戸亮、と書いていらした通り、さすが錦戸亮、これぞ錦戸亮(もちろん、泣きだけじゃないけどね)。




 もう間に合わないけれど必死でスカイの元へ疾走する途上、スカイとのささやかな奇跡の数々がよみがえって、たまらず足を止め、ガクっと座り込む勇次パパ。嗚呼。それだけで、もう胸を打つ。あの背中がまた哀しいわ。ああいう姿があんなに絵になる人が他にいましょうか。




 そして最初の涙がぽろりとこぼれて、はじめて、泣いている自分に気づく、みたいな表情がもう、最強すぎる!さらにその後も、はらはらと頬をつたい続ける涙の、そして苦しげに眉を寄せ、前髪をかき上げたりする表情の、唇も小さくわななく表情の、切なくも美しいことったら。




 時に、家族にはああいう涙は見せていない大黒柱・勇次パパですが。家族と合流した時の目は、いわゆる泣いた後の目で、それも切なくて良い感じ、と思ったのよ〜。違う順番で撮ってはるのかもしれないから、あたいの思い過ごしかもしれないけど。本当に泣いているから、泣いた後の目もリアルで、かつ美しい、と流星ラストでも思ったの。





 このように、ものすごく自然できれいな錦戸亮の泣きシーンをひとたび見たら、人はもう後戻りはできず、ふっつうの泣きでは「んんん???」と思う体質になってしまうのよ。恐るべし、錦戸亮




 これだから、多少ナゾな所がおありでも、錦戸ファンは止められないのであります。




 前にも、泣いてもお顔がくずれなくて、むしろ美しい、と書いたけど。彼は寝起きスッピンとか、熱々グラタンにお顔をやや歪めた表情とか、酔っ払ってお布団ゴロンの無防備な表情とか、作っていないお顔も美しいですわね。素が良いから。




 かと思うと、(最近は良かったけど)プロが作って撮った表紙がこれかいっ?! みたいな時もあるのが、なんか、ハラハラして見飽きないというか、ずっと気になる存在で有り続ける所以の一つでもあるのですわ。ほほ。




 さて、ちょっと気分も落ち着いたので、後は細かい所をサクッと書き散らして、退散致します〜。




 まず、まだ出産ではなかったのね、の冒頭シーン、病院で幸ママにスッと肩を貸す勇次パパが優しい〜。もう仲良しさんなんだから。



 しかし勇次パパの「もう生まれるのかと思った」の発音が、今更ながら完璧だったわ。もうすっかり標準語ネイティブね!全編見事なんだけど、ふとここでそう痛感しましたの。




 それから、「スカイ、危篤」のメールを見たお顔がさすがでした。かすかな表情の変化で衝撃がグッと伝わって来るのですわね。バサバサ長マツゲもノーブルな横顔もよ〜く見えるアップをありがとう。




 窓拭き会社のお二人の「彼良いっすね」「だろ〜?」の所はあたいも続けて「だろ〜?」っと叫びました(←あのねぇ、錦戸くんのことじゃなくて、勇次パパのお仕事のことよ←知ってるもん。衝撃と焦燥を抱えつつ、キビキビと働く勇次パパは素敵だったもん←えぇい、その言い方やめぃ)。




 そして、とうとう、スカイは…の電話を受けて、瞬間、勇次パパの周りが無音に、世界が止まったみたいになって(ここでもドアップをありがとう)。一歩二歩と歩き始めて、また走り出すシーンも胸に迫りました。ただでさえ胸を打つ勇次パパの姿ですのに、スローモーションがさらに追い打ちをかけるわ〜、みたいな。




 それから、取締役就任とスカイツリー清掃の契約のことを、早く幸ママに伝えたいのに、あっ聞いてくれない、みたいにスゴスゴ引っ込むクダリ、カワイかったですね〜。ママにお話を聞いてもらえない子供みたい。亮ちゃん、あんなんも、めっちゃ上手よね。




 その後、皆の前で晴れて「父ちゃんの会社、スカイツリーのお掃除の仕事の契約、取ってきました〜」と発表してニッと笑うのも、良かった〜。




 ラスフレとか、ぷりんとか、ザ・錦戸スマイル・封印の作品も好きでしたし、世の評判も高かったけど。今回の「犬を飼うということ」は、あの笑顔がぴったりなドラマで、それもすごく素敵でしたね。そしてこのドラマもまた、世の評判は高かったのではないかな。詳しくないけど。視聴率はシノゴノ言う人がいると思うけど、とりあえずコストパフォーマンスは悪い方ではなかったと思うよ。





 ということで、犬を飼うということのお話は以上です。滅法長くなってごめん。




 良いドラマでしたね。次も良いといいね。