全開ガール 9話

 噂に聞いていた以上に9話のラストシーンが切なくて、うゎ〜ん草太さん〜っ!!それでいいの〜っ?!と参っていたところへ。それに畳みかけるように、皆バラバラになっちゃうの?みたいな急展開を匂わせる次回予告が来て、何だかやるせない気持ちを、今も引きずったままのあたくし。もうちょっと軽い感じに焦れ焦れヤキモキしてから、ハッピーエンドに至るのかな〜、なんて思っていた私がアサハカでした。




 若葉さんを好きなのに、若葉さんを好きだから、若葉さんの将来の為に身を引いて、そよ子さんが好きだと言うなんて。「帰ろ」なんて、脱丁寧語の身内むけのやけに優しい口調で、そよ子さんの手を取って、若葉さんに背を向けて、虚ろな瞳で去っていくなんて。そんな草太さん、哀しすぎる。




 後に残ったのは、はずした婚約指輪を握りしめたまま、呆然と立ち尽くす若葉さん。その頬を流れる一筋の涙も、美しく切なかったです。今回は若葉さんの涙がよく見えて良かったな。





 そして草太さんはと言うと、今までも幾多の珠玉の泣きシーンを見せてきてくれて、予告でもぽろぽろ涙を流していたけれど。9話のラストシーンを見て、言うまでもない話ではありますが、錦戸亮の魅力は、必要な場面で美しくとめどなく涙を流せることに留まらないのだ〜、なのだ、なのだ、そうなのだ〜と改めて痛感いたしました。





 何と言うか、草太さんの瞳の色がめちゃくちゃ哀しいねん。若葉さんに告白された草太さんの瞳の色が。こぼれる涙なしでも、というか、潤みつつ何とか涙をこらえる瞳の色が。さらに言えば、新堂先生との対峙から衝撃のラストまで、そんな草太さんの目に、哀しみだけでなくて、悔しさとか、驚きとか、戸惑いとか、決意とか、虚しさとか、様々な表情が混ざっては浮かんで、瞳の色が瞬時に変わっていくのを、あたくしは息を呑んで見ていたのであります。あれぞ、目が物を言う天才俳優。プロデューサーさんも抜群の演技力を持つと認めた、脚本家さんもその絶妙な演技に純粋に惚れたという、天才俳優ですわね。





 ラストシーンについては、後でまたしつこく書いちゃう予定ですが。





 しかし、あの草太さんの行動はどうなの?新堂先生に、若葉さんの将来の為には君の存在が邪魔、なんて強く言われて、男として好きな人の幸せを一番に考えたら、ああすべきなの?若葉さんが子供の頃から苦労して努力して目指してきた夢を、新堂先生なら叶えてあげられる。一方、草太さんにその力はない。というか夢実現の為には草太さんの存在自体が邪魔になる。だから、好きな人の将来を潰さない為に?






 あたくしはね〜、若葉さんにも、そよ子さんにも、自分にも嘘ついたらアカンやん、お祖母ちゃんの法律に反するやん、と思ったのよ〜。





 今までも、若葉さんにキスどころか手も握っていないと言ったり、お泊り会の日に傍にいたのはきっと園長だとごまかしたり、優しいささやかな嘘をついていた草太さんだけれど。今度のはインパクトが違うというか、ご自分の、そしてガールズの人生が掛ったクリティカルな嘘だから、お祖母ちゃん法への抵触度も高いと思うのよ。





 特にそよ子さんに関しては、若葉さんの為に、もう後戻りできないよう、のっぴきならない状態にまで自分を追い詰める為に利用したというか。目の前にある、献身的に想いを寄せてくれる人の温もりにすがったような感じが、最初はしちゃったんだけど。それはないわね。





 草太さんのお人柄を考えると、当初、若葉さんの告白を、若葉さんの将来の為に断る為に、他に好きな人がいる、それはそよ子さん、と名前を出すだけのつもりだった気もするし。告白を断るには、そういうのが決定的な言い方みたいだから。優しい草太さんなら、とにかく邪魔な自分が身を引くことばかり考えて、自分が他の人と付き合うこととかは(それが身を引く上で有効だとしても)すぐには考えなさそうだし。でも、偶然、そよ子さんにもそれを聞かれてしまったから、本当に付き合う決意をした、とか?





 署名でも何でも、一生懸命手伝う、クビになっても力になりたいという健気なそよ子さんなら、軽い感じではなくて本当に結婚したいというそよ子さんなら、真剣に愛せるようになる、心の中の若葉さんの影もいつか消える、と思って?





 でも、異性のことって、「真剣に愛せるように努力する」(←ドラマサイト10話予告より)ものなのかな。もっと、知らないうちに胸に宿った感情を、自分でコントロールしようにもできない、みたいな感じなんじゃないのかな。




 草・そよのお二人は、それで幸せになれるのかな。なんて思ったりして。





 しか〜し、予告で草太さんは、ふわふわ髪で華奢な体のそよ子さんをギュッと抱きしめていたし(きゃ〜)、一緒にフランスに行きませんか、ともおっしゃっていたようだし。本当にお付き合いは進んでいくのですか?というか。後ちょっとで草若ゴールなのであれば、この時点で、キュートなナイスガイ草太さんに、そよ子さんの手を取らせたり、抱きしめたりさせんといてちょうだいよ〜、草若そよ、皆が可哀想じゃないの、みたいな(←ま、落ち着きたまえよ、ラブコメ・ビギナー)。




 一方、次回、若葉さんは9話での迷いを捨て、新堂先生との結婚に向け邁進するのね。





 そして、リリカさんがビー太郎を連れて行くの?ビー太郎がいなくなるの?予告で動揺する草太さんが可哀想だったけれど。テレビサイトの10話予告によれば、ビー太郎にとって誰といるのが本当の幸せなのかと冷静に考え始めた草太さんは、ビー太郎の本心を探るべくリリカとビー太郎が一日一緒に過ごすことを許可する、のね。




 草太さんが自分の行く道を決めたというのは、フレンチの道に戻って、フランスに行くことなの?…本当に皆バラバラになってしまうの?どうなの?




 テレビで流れる予告は、時系列が前後しているし、時には、何もあなた、そんな重要なシーンを削らんでも、みたいにシーンごとなくなっちゃうこともあるようだし。ドラマサイトの予告は途中までだし。そんな予告群に翻弄され、次週まで色々見当違いなことを考えているのも楽しいけれども。冒頭にも書いた通り、あたくし、皆さんが可哀想で、ちょっともう切なくてやりきれない気分なので(年のわりにナイーブでございましょう←黙れ)、早急にほっと息をつきたいというか、草太さんの本当に幸せな全開キラキラスマイルを早く見たいのよ〜。





 それから、ビジネスのこともどうなるのでしょう。新堂先生が若葉さんに言う「君はもちろん、味方だよね」は西野さんの工房の件からの流れもくんで、ひいては、新堂先生が桜川先生に取って代わろうとする企みに関してのセリフのようでしたが。





 あっそういえばあのブライトンの新CEOの方、あたくし滅多に二つのドラマを引き比べることはないのだけど、前にも月9で見たことがある気がして、あそこは別の方が良かったな〜と思いました。CEOっぽく見える人とか結構いそうだし。あれ位のセリフならあたくしにも言えてよ(←あんた外人さんちゃうやん。でんでんCEOっぽくないし)。




 ともあれ、最後には、あの恰幅の良い営利主義の新CEOの方〜新堂先生ラインでなくて、子供の笑顔を大切にする優しい目をした会長さん〜桜川先生ラインに軍配が上がって、若葉さんも子供の頃に成りたかった弁護士さんになれるといいな、と思います。




 そして草若ビー日向を始めとする登場人物のお一人おひとりにとって、できるだけ幸せな最終回になるといいな。そよ子さんにも救いがあるといいな。





 というところで、今週の草太さんを書きますけれども、今回は衝撃のラストシーンから書こうかな。あの〜、思いっきりあたくしの主観だから、勘違い上等!位の感じでご覧になってね。冒頭部分に書いたのと重複多めでごめん。





 最初に、新堂先生と対峙するシーン。あの付近、全部素敵だけど、まず「(若葉さんの為に、君に)何ができるっ?!」と強く言われて、言葉に詰まるあたり、さすが!と思いました。何も言い返せない自分をかすか〜に笑うようにして、その後何ともいえない表情になって、みるみるうちに瞳が潤むのですわね〜。あれぞ絶妙な演技。まったく、たいした青年だわ。




 それから「彼女の将来の為には、君の存在自体が邪魔なんだ」と言い募る新堂先生を見据える横顔も、強い目線が悔しそうで(超男前で)、胸を打つわ〜と思いました。悔しくても、何も言えない、何もできない自分がまた悔しかろうて(←誰だよ)。



 
 そして後に残された草太さん。そこへ若葉さんが現れ、やがてそよ子さんもやってくるのね。しかし、あの若葉さんの告白から、草太さんの胸つぶれるお返事のクダリは圧巻でしたわね〜。




 若葉さんに声を掛けられて振り向いた草太さんは目が虚ろで、「どうしたんですか」と聞く若葉さんに、一瞬目を隠した風で。新堂先生が去った後、衝撃とか口惜しさとか情けなさとかの中で、草太さんはきっと一人悩み苦しんで涙を流して、大好きな人の将来の為に、哀しい決断を下したのね〜なんて思ったら、こっちが泣きたくなった〜。




 そんな草太さんに、遂に、あなたが好きです、と告白する若葉さん。告白中は若葉さんのアップだったから、草太さんはどんなお顔で聞いているのかな〜なんて思っていましたら。次に草太さんのアップが来て、はっと胸を衝かれたあたくし。さっきも書いたけど、草太さんの瞳が苦しいほど哀しくて。




 何と言うか。目が、泣いた後の目で、わずかに腫れている感じなのもまた色っぽく。そんな目が再びみるみる潤んで、そこに驚きとか悲しみとか、色々な思いが混ざって深い哀しみ色になっているのが切なくてたまりませんでした。




 細かく言うとね。




 若葉さんは今までも、ほぼ草太さんが好きって言うてもうてるや〜ん、みたいな感じだったけど、恋愛に関してはニブ・カワイイ控え目草太さん、あれだけツンツンされたら、まさか好かれているとは思っていなかったでしょうし。若葉さんの告白を聞いて、びっくりして、動揺して、戸惑って。でも、たとえ両想いでも、それでも、若葉さんの為には辛い決断を翻す訳にはいかない、好きなのに、好きだけど、好きだから。自分は好きな人の夢を叶えてあげられないから、むしろ夢実現には自分の存在自体が邪魔だから、若葉さんの前から去るしかない。でも、そんな自分が辛い、苦しい、悔しいみたいな。そんな思いが全部葛藤しているような、哀しい色の瞳だと思ったの。




 でも、それは一瞬のことで、ふと目線をはずした草太さんは、若葉さんの前から存在を消すことに、もう迷いはないようでしたわね。ちょっと眉を上げるようにして、くぐもった声で「俺も若葉さんが好きでした」と過去形で言った草太さんが切ない。そよ子さんが好きだと言った草太さんが哀しい。





 そして、それをそよ子さんに聞かれて、「私でいいんですか?」と問われて、一瞬のためらいの後、決意して「はい」と微笑む草太さんも切のうございました。いっそさばさばしたような、諦めたような、でもすごく哀しいような、空虚なような草太さんが、やるせない〜。





 その後、若葉さんの方を振り返る草太さんも、一礼して去っていく草太さんも、動きも目も、マリオネットの人形みたいに空っぽで、ちょっとぎくしゃくしていて、そよ子さんと手をつないで去る瞳も虚ろで、胸が締め付けられるようでした。





 ということでラストシーンのことはこの位にしますが。世の「ながら見」系の方も、錦戸演技に関しては手を止めて、あの表情を、瞳をご覧になったら、クイズ王やるや〜んと思われるのではないかしら。ま、人それぞれだから、各自の方法でドラマを楽しまれたら良いと思うけど、錦戸演技鑑賞はぜひお勧めしたいところですわね。




 さて、それでは、その他の印象的シーンをざっくりと。




 冒頭、登園の道で、ビー太郎に若葉が好きなんだろ?と聞かれるクダリ。「うん、好きだよ〜。すっげ〜」とゆっくり目に答える草太さんが、子供みたいでカワイイ。切ないお顔の目も通常以上に垂れていてキュート!




 その後、当の若・日向に遭遇して、「あっどうも」とひょこっと笑顔で会釈して走っていくのも愛らしく。錦戸さん自身、ああいう動きが小動物風でカワイイのよね。かと思うと、時にオラオラのし歩くのも素敵。




 そして勇気のないおとうに勇気の手本を見せるべく、ラジオ体操の園庭で朝礼台に飛び乗るビー太郎は、おチビながらバネがあってイカスと思いました。関連性はそんなにないのに、あれを見て、錦戸さんのラスKのCM(ハワイ編だっけ)の柵越えもカッコ良かったな、なんて思い出したあたくし。足が瞬間、空中で平行になる柵越えって、ザ男子な感じで素敵よね。あたくしもできるけど(また変人なことを)。




 それから、園長先生の拡声器を奪って公衆の面前でプロポーズを果たしたビー太郎を迎える草太さんは、片眉上げと、その後の満載のキラースマイルがまぶしい〜。




そんなビー太郎を見習って、伝えてみるか〜と言う草太さん。でも、大人だし、周りに配慮する優しい人だから。ル佐藤で野菜箱を前に、「ていっても、迷惑だよな〜。どうしたもんか〜」の思案顔もカワイイ。



 そこへ出前の注文が入って、オフィスに行ったのに。そこでも告白できない草太さんもまた、ちょっとだけ情けないお顔の、大きな瞳が、垂れ目度何割か増で、キュート!



 そしてしゃべる木のおもちゃ・食べタローで遊ぶ父子の笑顔は本当にカワイくて、あの二人をこれからもずっと見ていたい、と思いました。




 そんなビー太郎が、たまたま若・日向の姿を見かけ、結婚まで秒読みだぞ!とおとうにはっぱをかけ、よし、と草太さんが意を決して追いかけた先はウェディングドレスのお店でしたのね。「あっ」というように、ちょっと口を開けてショーウィンドウのドレスを見る草太さんのお顔が、チビ時を彷彿とさせてカワイイ。あそこでも、ちょっと告白はできないわね〜。こうして草太さんは告白の機会を逸して、告白に至る前に、新堂先生にああいうこと言われちゃうのね。切ないわ〜。




 そして、ドレス姿の若葉さんに見とれる草太さんの瞳は、まさに好きな人の、でも、人のモノな人の、美しいウェディングドレス姿に見とれる瞳そのものでしたわ。ビー太郎の見とれっぷりもカワイかった〜。




 そういえば、今回、トリオの皆さんもダンゴ虫化していたけど、切な顔のダンゴ虫草太さんも良いわね。とてもいぢめたくなる感じで。




 そして園長先生と桜川先生の件は色っぽい話ではなくて、西野さんの工房の件でしたのね。でも、面白いもの見せて頂いたわ。桜川先生、まだまだセーラー服、イケていてよ!





 ちなみに、草太さんの「もう、どうにもなんないっすよね」も工房絡みだったわ。てっきり若葉さんの婚約・結婚のことかと思った〜。ムダに(ってなんやねん)切ないエェ声だったから。あっ、でも重ねた想いもあるのかな。




 結局、桜川先生の尽力で西野さんのクビは繋がることになり、お祝いのお料理の為、二人でお買い物の草・そよ(背格好がちょうど良いわね、とつぶやいてみたり)。草太さんと結婚したいというそよ子さんに、目を丸くして動揺する草太さんが可愛かったけど。錦戸さんの場合、結婚相手か恋人かと言うと、確実に恋人要員よね、なんて、ふと思ったりしました。番組に訪れた美人さん達に聞くと、多くの方が恋人なら錦戸さん、と答えるという。それもモテ男の証で、素敵ね。ふふ。



 
 そしてそして、もちろん草若を応戦しているあたくしですが、ストーリーから離れた状態で言いますと、予告の草・そよハグは、キュンとしましたわ(キュンとか言ってるし)。ただでさえ下向き錦戸に弱いのに、草太さんがうつむいて、華奢なそよ子さんの、柔らかそうな髪に顔を埋めるように、ギュッと抱きしめているのですもの。きゃ〜きゃ〜。



 若葉さんとはどんな感じになるのかしら。楽しみね〜。ということで、また来週〜。