全開ガール 最終話 3

 今回は最終話の草太さん(周り)的なものを書き始めようと思います。





 まず、NYに発つビー・リリカを草若日向が見送る橋の上のお別れのシーン。のっけからこれが良うございましたね。駆け寄って、勢い良く腰にしがみついて「おとう、またな」と言うビー太郎を、ひざまずいてリュックごと抱きしめて。頑張って明るく「うん、またな」と言う草太さん。それがもう切ない涙声で、既にやられるあたくし。あぁ、泣いている!優しい、可愛い草太さんが泣いている!と。





 そして「おとう、何泣いてるんだ?おいら、もう絶対泣かないぞ。だから、おとうもニ度と泣くな。泣くなら嬉しい時に泣け」と言う、笑顔のビー太郎がいじらしい!ビー太郎のエクボがぺこんとひっこむ笑顔は本当に愛らしくて、歌うような命令形の話しっぷりも本当にカワイくて。それがさらに別れの悲しさを倍増させたっちゅうのかしら、草ビー好きとしては、ビー太郎〜っ!本当に行っちゃうんだ〜と思って、何かもう、辛くてたまらんかった。





 また、それに「嬉しい時にか。うん。そだな」と答えて、ビー太郎を抱きしめたまま照れたように伏目がちに笑う、草太さんの笑顔の、切なくも温かく、超絶カワイかったことったら!その満々と涙をたたえて銀色に光る瞳の、哀しくも美しかったことったら!





 そうだな、でなく、そだな、というのがまた腹立たしいほどカワイイ(怒るな)。





 それから体を離して、ひざまずいたままビー太郎の顔を見る草太さんは、涙のしずくが今にもこぼれ落ちそうに目のフチにくっついたままの哀しい垂れ目で。「じゃあな!」と明るく言うビー太郎に、世にも優しく、切なく微笑んで、うなずくのですね。そんな草太さんの涙に、笑顔に、ビー太郎と一緒に過ごした日々の思いが全部つまっているようで、あたくしは胸がギュッと締め付けられました。





 そうしてパタパタと駆けていくビー太郎。こちらも鼻をすすっているリリカさんが「行こっか」と声を掛け、「おぅっ」と去っていくビー太郎。涙を拭って見送る草太さん。





 と、「あっ忘れ物!」と駆けもどり、ビー太郎は日向ちゃんのオデコにチュッっとして再び去っていくという。やるや〜ん、おチビ男子。小さく驚く日向ちゃんの表情も自然で素晴らしくて、しかも風が強くて乱れた前髪をすばやく払って直して待機していたのかしら、まったくちっこいのにたいした美人女優さん!と思いました。





 それから「置き土産は、やっぱり笑顔ですね」の若葉さんの言葉に、草太さんは「ビー太郎、またな〜」と大きく手を振って、ご自分も、精一杯、晴れやかな笑顔でビー太郎を送り出すのですね。





 そして、ここで日向ちゃんの、あなた本当は大人なんじゃない?みたいな見事な泣きシーンが入って。その辛そうにゆっくりと閉じた瞼からキレイな涙がぽろりとこぼれて、お別れの切なさがますます高まり。





 そうやってビー太郎が行ってしまうと、草太さんのお顔からは、ふと笑みが消えて。唇を軽く噛み、ちょっと歯を喰いしばるように息を吸って、耐えるような草太さんの表情が、切なさMAXでございました。あれぞ絶妙な演技!





 一瞬の表情でしたけれども、あれを見たら。自分がビー太郎にあげたと思っていたけど、実は自分がもらっていた笑顔、置き土産もやっぱり笑顔!なビー太郎の門出だから、せめて何とか精一杯の笑顔で送り出そう、でも寂しい、辛い、悲しい。そんな草太さんの気持ちが痛いほど伝わってきた気がして、そんな草太さんが切なくて、愛しくての(←いきなり若葉父化)。ほんの一瞬の表情で、こういうのを伝えてくる錦戸亮は本当に力のある俳優さんだな〜と改めて思ったのであります。









 いや〜、橋の上のお別れ、実に素晴らしいシーンでしたわね。大小天才俳優陣の競演でエェもん見せて頂きましたわ。若葉さんの(このシーンでは)抑えめな演技も良かった気がします。





 ダンゴ虫の虹色ミサンガも可愛かったな。銀色のダンゴ虫さんのキュートなお顔がちょっとビー太郎みたいでした。





 そしてね、錦戸さんの係としては、さらに二つほど書き添えたいことがあんねん。





 一つは、ビー太郎に大きく手を振る草太さんの笑顔が、最高でしたわね!ということなの。今更ですけど、何てカワイイお顔で笑う青年なんやろな〜、まったく。雑誌とかの笑顔も、ああいうのがいいな(時折、行き過ぎてアレな時がおありのような…)。





 もう一つは、ドラマ全編においてそうだけど、このシーンでも、錦戸さんの確かな表現力に打たれると同時に、涙絡みのシーンの素晴らしさに改めて魅了されないではいられなかった、ということであります。





 涙声の切なさも、瞬時に涙があふれだす美しい瞳も、グッとくる照れ泣き笑いの表情も、素晴らしすぎる。





 錦戸さんの泣きシーンが素晴らしいのはずいぶん前から存じておりますが(注:泣きだけでなく演技全般絶妙との定評ありですが)、見る度にそのリアルな切なさ、美しさに毎回目を見張ります。あんなに泣くのがリアルなのは、脚本家さんがツイッターで書いておられたように、演技力もさることながら、感受性が強いおかげなのかな、とも思いますし。





 しかもリアルなだけでなくて、泣く風情がとても美しいあたりが、天性の役者さん!な感じで素晴らしいと思います。ドラマとか映画とかは、現実をただリアルに切り取るのではなくて、魅せたり、伝えたりするものだと思うから。えぇ。





 ということで、今日は最終話の草太さん(周り)を書き始めるとか言って、1シーンのみで走り去ろうとしているあたくしをご容赦下さい。どんくさいもので、時間になっちゃって。次はもうちょっと進みたいけれども、また人が泊まりにくるらしいので、ぼちぼち行こうかと思います。のらりくらりしていてごめん〜。ほなね。