全開ガール 最終話 4

 前回の橋の上のお別れシーンに続いて、今回は、そよ子さんが草太さんの本心に気付くル佐藤のシーンのことを書こうと思います。





 ル佐藤の仕事終わり、若葉さんの結婚式の招待状に欠席の返信を書いている草太さん。ちゃんと「御」の字を消していて偉いわ(あんた誰やねん)。そして、あのちっこくて拙い文字が(←あれを書いた方ごめんなさいね) 優しい、可愛い草太さんらしくて愛らしかった〜。演者の錦戸さんは、大きめの、どこか主張のある男の子っぽい字だけれども、草太さんの字は、ちまちましていて、とっても草太さんで可愛い。





 そこへ、そよ子さんが「こんばんは〜」と入ってきて、「あっこんばんは↑」と語尾を上げて返す草太さんがキュート!自分の想いにフタをして、本気で忘れたつもりの草太さん、心底好いてくれる、これから誠心誠意愛そうとしている人に対する、それなりの弾み、みたいなのが感じられたような気がしました。





 そして、一緒に帰りたかったのかしら、「あっ今から帰るんですか?」と言うそよ子さんに、せっせとエプロンを畳みながら「ううん。今日から毎日店閉めてからP.ボキューズの手伝い。ずいぶん無理言ったんで。それにリヨン本店に行く前に、少しでもなまってる腕磨いとこ〜って思って」とプリチーに答える草太さん。ソフトな語調も、「ううん」の子供みたいな言い方も、磨いとこ↑〜で上がるあたりも、いちいちカワイイ。それに「へぇ〜」と笑顔のそよ子さんでしたが。





 と、カウンターの上の欠席の返信ハガキを見て、真顔になって尋ねるのですね。





「これ、結婚式、欠席するんですか」
「うん。その日の夜にリヨンに発つことに決まったし」(笑顔でわりと無邪気に)
「えっ?」(驚くそよ子さん)
「先、向こう行って生活環境整えたら、そよ子さん呼ぶんで」(←まだ無邪気に。しかし何とカワイく魅力的なオファーなのでしょう)


「それって…あえてその日にしたんですか」(真剣な目のそよ子さん)
「(驚いた切ない垂れ目で、焦って)えっ?あっあっ違う!ただ(お顔ぽりぽり掻いて)行くなら少しでも早く挑戦したくて。それに俺がいない方が若葉さんも…(小さく微笑みながら)」
「…鮎川先生の為?」(涙目のそよ子さん)
「(また焦って) えっ?」
「鮎川先生に良かれと思って、そんな、急に?」
「あっいやぁ…」(草太さんも泣きそうなお顔で)
「だって、どう考えてもおかしいじゃないですか」




 それに「いゃ、違うっつってるっしょ」と返して、強くなった調子にはっとして、「あっごめんさない…ただ…」と言い淀む草太さん。





 そして、あっと時計を見て、「時間無くなっちゃう、じゃ、終わったら連絡するんで」と言い置き、おやっさんに「お疲れした」と声を掛けて逃げるように店を出ていく草太さん。





 P.ボキューズでナイフケースを開けた時も、ちょっと屈託ありげだったような…。





 (注:自分の覚書用にざっくりしたカッコ書きをちょっとだけ添えてみたけど、今更ですけど本当の演技の良さは言葉にできないので、皆様は実際のシーンを見てね)。





 あのあたりの草太さん、切な可愛かったな。





 本気で忘れたつもりだけれど、実際には忘れていようはずもなく。フタをした本当の想いが思わず漏れちゃって、それを察したそよ子さんに指摘されて、あわわって焦って、それ言うたらアカンやつやん、みたいになっていて。






 しかし、こう書きつつ、ニワトリ頭のあたくしは、あのシーン前後でちょっと混乱していたの。前にも書いたけど、自分がいない方が…とその日を選んだ人が、そこを問われて焦っている人が、本気で忘れたつもりでいるというのは、いや〜それは無理があるような…と思っちゃって。





 一点、結婚式当日に発つ、自分がいない方が若葉さんも…とか、わりと無邪気にぽろっと口にする所は、本気で忘れたつもり、というのにハマル気がしたのよ。忘れていないことを自覚していたら、そよ子さんにそういうことは言わないかも、と思って。





 でも、そこは、物語的に、そよ子さんに察してもらって身を引いてもらう必要があったし(また何目線なん)。草太さんが(恋愛に関しては特に)ちょっと天然さんっぽいから、そういうことを無邪気に口にした、ということで良いかな〜と思って。





 こうして、うにゃうにゃ考えたあげく、「作り手の方が、多少無理ある感じになっても『草太さんは忘れたつもりでいるんです。本気で』というセリフを入れて、何とか草太さんの人間性を守ろうとしてくれたのかな〜」とありがたく思うに至ったというのは、前に書いた通りです。





 そして、勝手にそこはありがとう、と思いながら、それで無理ある感が漂ってしまうのはいかがなものか、と思ったし(色々勘違いしていたら、ごめん〜)。終盤の草そよ関係についてはやっぱりちょっと引っかかるものが残ったと思うのよ。10話の感想でも、あの段階で結婚の約束まで行かんでも、とか書きましたが。





 脚本家さんも素敵で、錦戸さんが3カ月本当に楽しかったと何回もおっしゃったという全開ガール、心底大好きですが。何と言うか、9回ラストからストーリーを劇的に展開させる為に、そしてまた一気に大団円に向かって急転換させる為に、草そよ関係がややフシギな感じになったというか、物語展開上の都合のしわ寄せが、草そよ周りに行っちゃった感じ?とかちょっと思っているあたくし。





 とはいえ、9話からの衝撃の展開にまんまとやられて、どうしても若葉さんがいいのに、草若の二人がいいのに〜!!と切なさが一気に高じたのも確かですし。





 そして、そういう、ドラマ上の都合でしわ寄せが行った(ようにあたくしは感じている)草そよ周りも、草太さん、そよ子さんを演じるお二人の確かな演技力で、ぐぐっと説得力がある感じに魅せてくれたとも思っています。





 ということで、なんやかんや言いつつ、あの欠席ハガキのシーンも、お若い二人のやり手俳優の、絶妙の演技をありがたく堪能させて頂きましたわ。





 錦戸さんの見事な表現力で、そよ子さんに一生懸命向かっているのは本当だけど、草太さんのフタをした想いはまだ、痛いほど熱いのだな〜ということが、切なカワイく伝わってきて、胸に迫りましたし。そよ子さんも、欠席ハガキきっかけで、めざましく一気に悟る感じを、より自然に見せる力のある方、なんて思いました(何かエラソでごめん)。






 ファンとしては、あの可愛い優しい草太さんも、もう本当に見収め!と思って、キュートな姿をきっちり胸に刻みましたとも。





 あわわ、と焦ってテンパっている草太さんの可愛さは天下一品ですし。もっとも、草太さんの役から離れても、あの垂れ目さんが、これどうしよっ?!みたいにあたふたテンパるキュートな姿は、今後も見られる気がするけどね。





 そして、もう、月曜になっても、あの優しい草太さんはいないかと思うと寂しいと、「違うっつってるっしょ」が彼の中のではキツイ言い方で、そう言ってハッとして「…ごめんなさい」なんて言う、うっさいわ、ボケ!!なんて決して言わない優しい声音の草太さん、可愛かったな〜と思っているのは、前に書いた通りですが(そのまま繰り返しちゃった)。





 コワモテの垂れ目さんも大好きだから、大丈夫〜(誰がや、何がや)。ちなみにコワモテかと思うと、寂しがり屋のウサギさんみたいに甘えん坊だそうで、そういうギャップに満ちている所もさらに興味深いですし。コンサートで(落選しなければ)素敵な歌も聞けるし、踊りも見られるし。ということで、ドラマが終わって寂しいけど、これからも元気に垂れ目青年ウォッチを続けることと致しましょう、そうしましょうそうしましょうと思っている、あたくしであります。




 ところで、今、草太さんみたいな格好、流行っているのかしら。お嬢さん達も、茶色い紐靴を履いているのを結構見るような。ちょっとダブっとしたおズボンの裾折って足首見せて、まさに草太さん!みたいな男の子も街で見かけるのですけれど。たとえ、似て非なるものでも(ってあんた失礼やな)、カワイイ草太さんを思い出すヨスガが、そこここで見られるのは嬉しいわ、なんてちょっと思ったりしております〜。ふふ。




 ということで今回も1シーンですみません〜。ほなまたね。