陰陽屋9

 9話もすごく面白くて、やがてホロリとする良いお話でした!



 研究大好き、夢は大学教授、何事も白黒パッキリ付けたいタイプ、だったはずの路子先生なのに、願ってもないお誘いの話に「素因数分解がビシッと決まらないっていうか」とか共感し難いことをウニャウニャ言って、ずっと返事に迷うコメディエンヌっぷりがラブリーでしたし。




 そのお誘いをかけてきた大学の憧れの先輩・カズヒコ先生もイケメンながらキャラ濃い目で、占いとか陰陽師とか、大好き過ぎて前のめりにグイグイ寄ってくる様子に、さすがの祥明さんも、ちょっとたじろぐ様子が面白キュートでした。




 そんな路子先生の心の謎を解く回でしたが、今回も、何気ない一言で祥明さんにヒントをくれる、祥明さんのことを割と分かってくれている源次郎さんや(ちなみにヒントにピンと来る祥明さんのお顔も毎回良い!)、毎度愉快で見たら心が和む沢崎家や商店街の皆様や、寒空に「九割引」と大変太っ腹なTシャツ一枚で、手にサンダル履いて裸足でひた走ったりする秀行さんや、そんな秀行さんをいつの間にかマッキー呼びしている珠希ちゃんの姿も見られたし。




 とりわけ、学園が舞台ということで、キュートな瞬太くんを始めとする学生服の皆さんの活躍が見られて楽しかったです。




 スクールウォーズのテーマにのせたバリバリ学園モノ系な駅伝の特訓も愉快でしたし。




 一番になれなくても、怪我をしても、最後まで走り抜いた瞬太くん、それを迎える路子先生とクラスメイト!なんていうシーンでは、低体温なアタクシも、不出来とはいえ母親のハシクレ、若いもんの頑張りにはジ〜ンと来ちゃったりして。(愉快で俊足な岡島くんも、無邪気に応援してくるパパに苦いお顔の史尋委員長も良かった〜)。




 そして「皆、ありがとう。これで先生は心置きなく次の仕事に行けます」と笑顔で言って、研究室の面接を受けに行く路子先生。そこに祥明さんが現れ、1−Cから預かってきた、1−Cの祟りを祓うお守りだそうだ、と紙袋を先生に手渡すのですわね。中には迫力の焼きそばパン「ダブル」と「ついに学校で1番とったぜ!C組一同」と書かれた笑顔の写真が。それを見てポロポロ涙をこぼす路子先生。と、ここでまた、あたくしもウルっと来ちゃったりしたんだけど。




 祥明ファンとしては。




 ハナから路子先生の「教授より教師」な本心を見抜いていて、路子先生の為に、「実はわたくしも折り入ってお伝えしたいことがあったのです」「只野路子先生は必ず、教師を続けたいと言ってくるはずです。もちろん彼女がこの学校にとって必要な人材かどうかはまた別の判断が必要なのでしょうが」なんて折り目正しく、教頭先生たちにお願いしていた祥明さんが。




 あの、クラス対抗駅伝で絶対1番取るぞ!お〜!という流れに、1−Cを焚き付けた祥明さんが。

(路子先生が転職を決断できないのは、(祟りのせいで)今のクラスが落ちこぼれで、何をやってもビリだからだ、とか言って発奮させてんな〜)。




 それって生徒の皆さんにとっても一致団結して素敵なことだと思うけど。路子先生に、自分の本心に自分で気付いてほしくて、そう焚き付けた感じの祥明さんが。

(源次郎さんの言葉によると「頭で考えたってしょうがねぇ」「人間てなぁ、他人の心より自分の心の方が分からねぇもんさ。けどな、自分の事を思ってくれている連中と真剣にぶつかりあや〜その連中が気付かせてくれるんじゃねぇかな〜」ということみたいですし)。




 そして駅伝で1−Cが惜しい所で一番を逃すと、「ダブル」争奪戦でリベンジ!という策を授けた祥明さんが。




 瞬太くんが見事「ダブル」をゲットすると、「1−Cの祟りを祓うお守り」を面接前の路子先生に届け、「俺を使うとは全く…。これは大いなる貸しだからな」とかブツブツ言ったかと思うと、「早く行け、もう時間だろ」とちょっとぞんざいに、でも優しく言った祥明さんが。

(ちなみに、この大いなる貸しの代償として、ラスト、路子先生の「ダブル」をせしめるのね〜、なんてあたしゃ思ったけど、違うかも。ボケ頭だし)。




 自分の本心に気付いて、結局お誘いを断った後、陰陽屋を訪れた路子先生を、「何の用だ。もう店は閉まってるぞ」とか言いながら、ちゃんと柔らかく受け止めている祥明さんが。




 もう、素敵すぎて、あと2回しか祥明さんを見られないなんて寂しすぎて、あたしゃグレたろか、みたいな感じよ〜。




 また、祥明さんは見るからに良い人、というのでなくて、5分で千円ぽっきりとか、楽して儲けるのが大好きで、ぞんざいでテキトーっぽかったり、悪役を買って出た時の憎々しげな言い方なんかは容赦なかったりするけど、実は、皆の気持ちを汲んで、皆の為にベストな解決策をちゃんと考えている、というのが、より魅力的なのですわね。



 
 で、すごいな〜とか思っていると、どんだけ「ダブル」食べたがり屋さんやねん!みたいな所もおありだったりするのが、ますます素敵!




 (そういえば、あの「ダブル」製造に吾郎さんが携わっていたと分かって、「父さんの仕事、めちゃめちゃ夢あるって!」と瞬太くんがキラキラの目で叫ぶクダリもナイスでしたわね)。



 そして、今週のラストでは、路子先生が学校に残ると聞いて喜んだ瞬太くんの尻尾が出て、それを路子先生が見ちゃって大騒ぎでしたけれど。



 来週、祥明さんは、路子先生のママと超イケメンなホスト仕様でデートなの?サツキさん、瞬太くん、祥明さん絡みの謎はどうなるのでしょう。あと2回、大切に楽しもうっと。




 ということで、今週の祥明さん周りの素敵ポインツ。




 冒頭、陰陽屋。ぽっきり千円だけど、時間も5分でブチっと切る「学割」商法をちゃっかり展開中の祥明さん。ふふ。「絶対また来ます!」と言う女子高生に「ハィっ↑」と語尾上げて言うのが、テキトーで営業っぽくてナイス。




 そこへ祥明さんバリに、ほぉほぉ言って現れたカズヒコ先生と、いつになく女子力高めの路子先生(驚)。さっきも書いたけど、グイグイ来る占い・陰陽師大好き!なカズヒコ先生に引き気味の祥明さんが面白キュート!(ワシッと握られた後、解放された自分の手を、イヤそうに見るのとかナイス!)。




 そして、気マズさの裏返しか「…こんにちは↑」なんて元気に言った路子さんに「いらっしゃいませ。陰陽屋へようこそ」と言う祥明さんの、脱力系な言い方も表情も最高でした!!あれ大好き。




 ちなみにカズヒコ先生曰く、「祥明さんのことを、路子ちゃんがあまりにも嬉しそうにしゃべるから」ということで。路子先生はそんなことないと否定していたけれど、そやろな〜という(何様)。路子先生が離れたくない今の生活の中で、祥明さんの存在が占める割合は大きそうですものね。




 続いて、狐火。飛鳥山高校で生徒が陰陽屋に入り浸っていると問題になっている、出入禁止にすべきという声もあり、と路子先生に聞いて。出入禁止?冗談じゃない。せっかく旨みたっぷりの良いカモをつかんだ所なのに、と珍しく息巻く祥明さん。




 そこへ源次郎さんがサーブした旨みたっぷりのカモと油揚げのあんかけ。お話とお料理がリンクしていて面白いわ〜。ちゃんとカモがネギしょってるし。




 そして、プンスカしたまま、でもきちんと「ありがとうございます」と言って。祥明さんが一口食べて「うんめぇ!」と叫び、源次郎さんが嬉しそうに笑うシーンは、いつ見ても素敵だ!




 もういい、自分で陰陽屋の健全性を話しに行くと、翌日、飛鳥山高校に乗り込んだ祥明さん。ここで祥明さんは「ダブル」との運命的な出会いを果たすのですね(笑)。移動パン屋さんのご婦人は、祥明さんの高ビジュアルにも、部外者には売れない、1番の生徒だけ、という厳しい態度を崩さないツワモノで。




 どうしてもラグビー部の猛者に勝てない、生徒たちの汗と涙の(?)「ダブル」争奪戦を目の当たりにした祥明さんが、「なおさら食べたくなった」と心底食べたそうにつぶやくのが切なキュートでした。(画面いっぱいの「ダブル」→コン太くんが画面下をカリコリ走る→ささやかな通常サイズを食べる岡島くん、なんて画が切り替わるのも楽しかった!岡島くんは、もうちょっとで一番だったのにポーンと飛ばされちゃったのよね。いつものことらしいけど)。





 そして祥明さんは昼休みに教頭先生たちと話した後、1−Cのホームルームに乱入するのですけれど。




 狩衣に烏帽子姿で、あの省エネな祥明さんが教卓に手をつき「はぁい、注目〜!」なんて声張って、テキパキ板書して。




 「出るに示すと書いて、祟り!ハイっ!」とか先生っぽくしてはるというか。「このクラスは盛大に祟られていることが決定しました!拍手〜!!」なんて、若者向けっぽく盛り上げてはるのがナイスでしたわ。




 (その前、教頭先生たちとお話した時は、一礼も端麗、敬語も過不足ない、折り目正しい感じで、そことのギャップも素敵でした〜!)。




 そして祥明さんは、(祟りのせいだけど)クズの吹き溜まりだ、絶対負ける、とか結構な言い様をして、イヂワルさんな感じでニヤリと笑ったりもして、1−Cの皆を発奮させるのだけど。憎々しげにそんなん言いながら、途中、よしよし、乗ってきた、みたいなお顔もチラッとされた気もして、ナイス表情!と思いました。





 そんなこんなで駅伝に向け、特訓にいそしむ1−C。一方、祥明さんは、今度は例のコートのオフ服にグレーのストライプのマフラー(←スヌードというのかな)を足したキュートなお姿で、再び、「ダブル」を何とかゲットしようとするけれど。「ダブル」に伸ばした手をぺちっと叩かれたり、千円札をちらつかせても(笑)シッシッとされたりして、ちょっと、やさぐれた上目使いでパン屋さんのご婦人を見るのが素敵すぎる! あの目も口元も無駄に色っぽいっちゅうねん。




 そして、駅伝に向け瞬太くんがモリモリ夕飯を食べている沢崎家。その団らんを、外から見ている祥明さん。そこに例の妄想を抱き続けている秀行さんが来て「あの子を傷つけるようなことは絶対に許さないからな」と強く言うと。祥明さんがゆっくり振り向いて「優しいんだな、おまえは」と、それこそ優しく言って、長マツゲを伏せる表情が印象的でした。




 続いて、路子先生が職場見学でカズヒコ先生のいる大学を訪れるシーン。カズヒコ先生から、一緒に見て、と呼ばれていた祥明さんが、狩衣・烏帽子姿で、柱のかげで、パックの牛乳をチューチュー飲んでいるのも、ちゃんと研究室を歩く用の黄色いスリッパとクリーム色の白衣(ってか何かそんなん)を着用しているのも愉快でした〜。結構似合っていた気もするな。イエローさんだし。




 こうして祥明さんが占った結果、研究室は風水的に見ても申し分ないと言っても、ふんぎりがつかない路子先生。いぶかしがるカズヒコ先生に祥明さんが1−Cの話をすると、「しっかり今の仕事を全うしてきなよ、良い返事待ってるから」と爽やかに言うカズヒコ先生。




 それに「はい」と返事をした路子先生を見る祥明さんのアップ顔が良いのよ。整っているのはもちろんなんだけど、路子先生の本心に気付いている関係か、ちょっと哀しいような、なんか慈愛に満ちたお顔なのでした。




 さて、いよいよクラス対抗駅伝大会本番。前列でビールを飲みながら応援する祥明さん。お店はいいの?と聞かれ「急に珠希さんが来て、店番をしてくれるというので、すべてお任せしました。まぁ、巫女さんだし、ダイジョブしょ〜」とか言っている言い方が、とってもテキトーで面白キュート。(本当は「本日休業」の紙を張って、マッキー&珠希ちゃんが「妖狐退治」の本を探していたんだけどね)。




 しか〜し、一見テキトーそうでいて、あの場でも祥明さんはビニールのコップでカワイくビールを飲んでいただけじゃないのだ。特訓の甲斐あって、トップ集団で健闘する1−Cの、アンカー・瞬太くんがこれから走る、という時に、瞬太くんの背中にさりげなく式神をぽんと貼って、カワイく笑ったりしていたのですわね。




 その頃、探し出した妖狐退治の本を読んだマッキーは、ヨシアキは瞬太くんの体力が弱った所を式神で退治するつもりだ!だからクラスに駅伝で勝ってみろってけしかけたんだ!と勘違いして、大慌てで駆け付けるんだけど。祥明さんが瞬太くんの背中に貼ったのは、安全お守りの式神だったというね。エェ青年や〜ん。




 しかし、今週も、そういうマッキーの懸念というか妄想というか勘違い、の関係で、(そういう風にも見えるっぽくされるのだと思うので)、駅伝で走る瞬太くんを見る祥明さんの「表情が抜け落ちたようなお顔(端整なだけに威力大)」が見られて良かったです(先週と同じ表現でごめん)。今回の祥明さん役もすごく良いけど、いつか、眉ひとつ動かさず空恐ろしいことをする冷徹な犯人役、みたいなんも見てみたいわね〜。




 そして、ゴール後の感動の1−Cを、コートのポケットに手を入れて遠くから見ている祥明さんの、ヒキで撮った全身像が、アニメみたいにスリムで素敵!と思いました。




 その後はちょこちょこ書いたので、終盤の、憧れの「ダブル」をついに手に入れるシーンに飛ぼうかな。




 え〜、自分の本心に気付いて、結局お誘いを断った後、陰陽屋を訪れた路子先生を、「何の用だ。もう店は閉まってるぞ」とか言いながら、ちゃんと柔らかく受け止めている祥明さん(ってさっきも書いたけど)。




 本当はただ夢を諦めただけなのかもしれません、と言う路子先生に



 「夢が叶う人なんて、ほとんどいないよ(ここの言い方が優しい!)。いつかきっと違う道を選ぶ瞬間が誰にでもやって来る。でも夢を諦めるってことは、新たな一歩を踏み出すってことだろ。だから諦めるのも悪くない。また新たな夢に向かって進めばいいんだよ」




 な〜んて心のこもった感じの、滅茶エェ話をして。ちょっと涙ぐんで、ありがとうございました、と頭を下げる路子先生に優しい笑顔を見せたと思ったら。




 立ち上がって、ツカツカと路子先生の方に寄っていって、ハッと身構えた先生に、


 「そんなんいいから、ほら寄こせ」とか、低い声でちょっと苛立たしげに言い、

 「えっ?」とビビる路子先生に




 「ダブルだよ」

 なんて、ちょっと眉根にしわを寄せた、ちょい悪&色っぽい駄々っ子みたいな表情と声で言うのとか。


 ダブルを手に取って「ついに手に入れた」と、世にも嬉しそうにニッカ〜と笑うのとか。


 満面の笑顔のまま大目大口を開けてかぶりついて「うんめぇ〜!」と叫ぶのとか。


 「あの、半分」という路子先生に「ヤダ」と言うのとか、「生徒たちの思いが…」と追いすがる路子先生をテキトーにかわすのとか。



 子供かっ!みたいな、どんだけ「ダブル」食べたいねん、みたいな様子と、その前にエェ話をしていた時とか、教頭先生たちと話していた礼節正しい感じとかとのギャップが素敵すぎる!と思いました。一言でククレないというか、一筋縄でいかないというか、祥明さん、本当に魅力的な人ですわね。





 別に錦戸さんはどんな人にもなれる役者さんなんだけど(ちなみに、表情豊かな錦戸さんが、眉の片方だけ上げたりできる件、特に、左右の眉を別々に動かそう、とか意識されているのでなくて、自然に、そういう風に動く、前髪有の時も、前髪の下で、いつも、眉がメッチャ動いている、ということでしたの?原作者の方のツイッターでそんなん見たけれど。やっぱり俳優業は天職な感じね)。




 祥明さんの、デキる人だけど、時に子供みたいにラブリーだったり、ぱっと見、割とぞんざいで、分かりにくいけど優しかったりする感じが、錦戸さんっぽいというか。祥明さんも錦戸さんも、魅惑のギャップだらけの多面体(←多面体はfぼん様に借りている言葉)だから、なんか良い感じでリンクし合って、錦戸祥明さんの魅力が増幅しているかもね〜、なんて思ったりもしています(何様&何となく汲み取って〜)。





 そしてラスト、瞬太くんの尻尾を見て動揺する路子先生が愉快な神社シーン。「じゃ、槙原さんが言ってた通り、あなたは瞬太くんを退治しに?」「あぁ、それは槙原さんの勘違い」「本当ですか。瞬太くんは私の大事な生徒なんです。ちゃんと教えて下さい」「俺は雨宮サツキという人間を探しに来ただけだ」のあたり。路子先生が詰め寄るから、祥路の距離が近くて他人事ながら緊張したけど(あんた緊張すな)。




 路子先生から、サツキさんが亡くなっていることを聞いて、さりげなくも衝撃を受けている祥明さんの表情が自然でとても良いと思いました。




 ということで、例によって勘違いも多めだと思われる9話覚書は以上です。全編素敵だから、また長くなってすみません。



 次回も祥明さんの素敵な表情がたくさん見られそうですわね。あと2回で、お話がどこに着地するかも、とても興味があるし、楽しみ!