サムライせんせい第1話

 ネタバレにご注意!


 第一話、すごく面白かった!



 端整で厳格なお侍で、本人は大真面目なんだけど、見ていると、ほんと妙に可笑しい。そんな半平太さんが見事にそこにいました。



 笑って、グッと来て、半平太さんのビビッドかつ繊細に動く表情にすっかり魅了されましたわ。



 体の角度とか、袴でシュパッと座ったりするのとか、その他諸々、お侍の所作も美しゅうございましたわね。



 「折目正しいお侍言葉、時に土佐弁化」も素晴らしかった!原作を読んで、そこハードルめっさ高くして臨んだけど、(サムライでも土佐弁ネイティブでもないのに僭越ながら) あたくし的には完璧でしたわ。




 晴香さんと寅之助君の目上の人への失敬な態度を見て、フツフツと怒りが込み上げてきて、ピキッとなって(もちろん、この辺の錦戸さんの表情、まるっとナイス)




 「おまんら!たいがいにしときよ!」って怒鳴るのとか、カッコ良かった〜!「その目上の者に対する口のきき方は何ぜよ!佐伯殿に対して、その態度。無礼じゃろぅ」っちゅうてな。お腹から出たエェ声で迫力があって、憤りに目を潤ませた精悍顔で放つ土佐弁が雄々しくて実に素敵でした。通常のオゴソかな語り口とのギャップもナイス。





 5年連続ドラマ主演、演技力には定評があって、こういう言葉や発声や所作等もキッチリ決めてくる。そんなペータ先輩だからサムライ・タイムスリップ・コメディを愉快に成り立たせることができるのでしょうねぇ。そこがちゃんとしていて、まさに侍!と見えないとコメディが成立しないだろうから。いや〜素晴らしい。





 それと、半平太さんの心の声というか、アフレコは、どんな感じかな〜とちょっと思っていたけど、それも良い塩梅だったと思います。アフレコのセリフ回しも表情豊かというか、心の中で大真面目にシノゴノつぶやいているのが可笑しかったです。




 ちなみに共演の皆さんも良い感じでしたわ。比嘉さんは結構コメディに向いておられるかも。流星くんはビビる様子がナイス&キュートでしたし、α波声のレオさんは相変わらずの癒しでした。出番はまだ多くはなかったけどカイチョーは可愛かったし、神木くんは垣間見ただけでも、さすが、な感じがしました。梶原さんのやや大仰な感じも深夜らしくて?いいかも。




 さて次回、キッズの運命やいかに?!お侍がもう一人?!皆様乞うご期待!(あんた誰や)。 そして次回も、精悍かつチャーミングな錦戸半平太さんのアレコレが見られるだろうし、楽しみたのしみ!




 ということで、以下、第一話の半平太さんの素敵ポインツを書いてみようかと。





 さて、冒頭、とうとう切腹、「すまぬ。富子」の後の覚悟の目がスゴイ!凄絶、というか、まさに切腹直前の目の色。錦戸亮、大した役者さんだわ。グッと惹きつけられる!もちろん、それまでの無念・諦念・悲哀みたいな感じも素敵。




 しかし、次の瞬間、目覚めると、生きて道路に寝ている半平太さん。




 こうして平成の世に迷い込んだ幕末のカリスマリーダーは、本人は大真面目だけれど、現代のアレコレに驚嘆・右往左往する様子がコミカルでキュート、しかし礼節を重んじ義理に厚い芯の通ったサムライっぷりはイカス、という。そんな半平太さんを錦戸さんは初回から物の見事に演じておられたと思います。





 寅之助君たちの車に引かれそうになって、「ひゃぁ」っと跳びすさり、その自動車に驚嘆するのも。(扉が)「開いた!」と後ろにヨロメくのも、わしは生きているのか?と自分の頬をぺちぺち叩いた挙句、困惑の目でムニッと頬を押さえるのも。そうか、あの切腹が夢、同士が手引きしてくれたのか、とか一人合点してフフフフ…と不敵に笑うのも。ことごとく素晴らしい。




 それから田園の中、侍みたいに(だって侍だから)歩いてたどり着いたスーパー。「泥そば」を嘆かわしそうに見ていたと思ったら、クンクンっと小鼻を動かして、「しかし、この匂いは不思議と食欲をそそる」なんてフラフラ寄っていく忘我のお顔(ドアップ)が素晴らしくも、きゃ〜っ!って感じ(汲み取って〜)。




 そして「泥そば」を試食するクダリは、予告でもインパクトありましたけど。おそるおそる口に入れて、「Uhoaaah!」みたいに叫ぶ声も表情も素晴らしく。




 あまりの美味しさにほとんど涙ぐんで「箸が止まらぬ!」と搔きこんで、「いか〜ん」と自分を諌め、頑張って返した泥そばの上に盛られた紅ショウガでブホっという一連の流れが愉快で大好き。




 鮮やかな色に「何かの果実か?」と頬張ったら「激辛紅ショウガ」だったんですもの、それはブホッとなるわね。そして焼け付く喉の辛さによろめいてカップ麺を踏んでしまい、スーパーから逃げ出す半平太さん。



 のどかな田園風景の中、逃げていく半平太さんの早回しのカリコリなんば走りが愉快。(なんば走り、ちゃんと体が定まっていたというか、上下していなくて見事でしたわね)。



 しか〜し、獄に長く居過ぎて体力が続かない半平太さん。千鳥足になってヨロリと道に倒れる苦し気な表情も動きもナイス。




 そこを小学生とレオさん(佐伯先生)に助けられ、目覚めた佐伯家。侍らしい目配りでふすまを開けると、ふと洗濯物の「ぶら」に着目する半平太さん。あのシーンも好きだわ〜。佐伯家の面々の前で、難しいお顔で熱心に「ぶら」の匂いを嗅ぐ半平太さんが可笑しくて。




 「ほのかに良い匂いがするが」なんていう言い方も表情も良い塩梅。わーきゃーわめいていた晴香さんが果敢に「ぶら」を奪還するまで、半平太さん、なかなか念入りに匂いを嗅いでいるのよね。ふちのあたりとかまで。ふふ。




 そんなこんなにも全く動じない大人物・佐伯先生が供されたおかゆを前にした半平太さん。お背中ピンの姿勢も「かたじけない」と手を合わせる風情も美しく。一口食べて、感極まった表情も素晴らしい。逡巡の後、手をついて名をなのり、一礼する姿も端麗。まさに侍。




不本意ながら自分は腹を切る覚悟ができている、しかし、自分の命で動いていた者たちの命は乞わねばならない、その準備が整うまで、ここでかくまっては頂けまいか、と懸命に頭を下げる、長まつげシパシパのお顔も男前!




 そんな話を信じた風な佐伯先生に孫たちがやいのやいの言ううちピキっとなって「おまんら!たいがいにしときや!」と土佐弁で怒鳴るのがカッコいいというのは、さっき書いたわね。




 ちなみに佐伯先生から、今が半平太さんの時代から150年ほど経った日本だと告げられ、フッと笑って「私をからかっておいでですか」と佐伯先生を探るように見るのも良かったし。TVとか電灯とか、彼の時代では有り得ない文明の利器に涙目で驚嘆しているのもナイスでした。




 暗がりで尚、半平太さんは、TV画面を見つめているのですわね。バラエティを見てはったみたいですけれど、その潤んだ強い目も素晴らしい。後の土佐弁シーンで半平太さんが言う言葉なんだけど「異国の文化に毒され、バカ騒ぎしているだけのこんな世の中など知りたくなかった」と思っていたのかな。




 そして翌朝、きちんとお布団を畳んで、「お世話になり申し候」と置手紙をしたためて、姿を消した半平太さん。




 昨日、目覚めた所に同じように寝ていれば、元の世に帰れるかと、道に寝てはってんな〜。ここの、白装束で道にで〜んと寝ている足ナメの全体像が、ズルい感じに可笑しいのだけど。寄ってとらえた長マツゲの横顔はあくまで秀麗、あくまで大真面目なのがまた良いのですわね。




 さて、「昨日の所に寝てみる作戦」もdidn’t workで(異人かっ)、「わしはなぜここへきたんじゃろう」と途方にくれる半平太さん。




 ここでまた、あたくしの好きな土佐弁シーン!暗がりでTVを見つめているクダリでさっき一部書いたけど。




 「こんな日本など見たくなかった。異国の文化に毒され、バカ騒ぎしているだけのこんな世の中など知りたくなかった。わしらが命をかけて戦った先に、こんな腐った日本があるとは許せんぜよ!」と涙目で言うセリフ回しも表情も最強。




 途中、半平太さんが土佐勤王党をリードしている幕末のシーンがはさまれるんだけど。その時の半平太さんの目付き、面構えがまた漢!な感じですごくカッコいい。一瞬だけでもカリスマ性のあるリーダー感が伝わって、素敵!




 ドラえもんのクダリも良い塩梅でしたわ。晴香さんに、元の時代に戻る道具なんかありません、と言われた時のうっすらウラメシそうな?お顔とか、そうか、もしやと思っておったのじゃが、とかブツブツ言っている辺りもほのかに可笑しい。




 さて、佐伯先生から、いつの日か戻る定めもあるかもしれない、現代に迎合せず、ここで侍として生きたら、今できることから始めたら、と諭され、半平太さんは晴香さんの車で佐伯家に戻ることとなりますが。




 異国の、ではなく、日の本で作られたものだったのかと、驚嘆しながら「荷車」に乗り込む様子が、また面白キュート。なんかキョロキョロしながら、袴をおさえて美しく正座しちゃうし。シートベルトをかけようとする晴香さんに「いゃいゃ、何を為す!」とか動揺するのもナイス。




 こうして佐伯家に戻り、髷を整え、シュパパッと着替える所作も、もちろんお顔も美しく。佐伯先生とスーパーに行き、踏みつけたカップ麺代を返し、「まことに不調法致しました」と綺麗に頭を下げる、礼節あるサムライっぷりが素敵。




 しかし、スーパーの人もお巡りさんも、半平太さんが150年前の日本から来たという話を信じず、改めて佐伯先生の度量の大きさを知る半平太さん。




 自分ならばとても無理じゃ、と考える半平太さん。想像の世界で、富子さんの肩まで触っちゃって「富ちゃ〜ん、ここどこなワケ?」とか言っている寅之助くんを「無礼者!」とか切り付けちゃっているのが、寅ちゃんには悪いけど、ザ侍!でカッコいい。




 考えながら歩いていると当の寅之助くんが怪しい男に絡んでおり、止めに入った半平太さん。現代家屋を背景に、殺気を放つその男と、姿勢よく扇子を構えて対峙する「強いお侍」オーラが素敵。




 一度はナイフに手を掛けた様子のその男が、そのまま去って行った所へやってきたのは大人物・佐伯先生。そんな先生に乞われ、塾の先生になる半平太さん。




 生徒の中には自分を助けてくれた子達がいて、「その節は世話になった」と半平太さんはきちんと頭を下げます。わらべにも礼を欠くことのない半平太さん、素敵。子供たちも笑顔でそれに応えるのが微笑ましい。




 しかし、子供たちにまといつかれて狼狽して、「佐伯先生!待たれよ!」と後を追って、袴をさばいて座る所作が美しい。




 でも佐伯先生は大丈夫です、昔も今も子供は変わりません、とかエェ声で言って、行ってしまうのですね。仕方なく教室に戻る半平太さんですけれど、小さな絵箱で遊ぶ2人を放逐する揺るぎない姿勢が素敵です。




 月代を知っていたお利口メガネ君とのやり取りも好きでしたわ。150年程前の日本から来た、と言うと、即「幕末からですか」と言うので「信じてくれるのか?」と半平太さんが聞くのですわね。



 すると「time leapを否定するつもりはありません」なんてメガネを押し上げたりするホッペふくふくの少年が可愛かった〜。




 「おまん、変わっておるな」「先生ほどではないと思いますけど」の後の半平太さんのお顔も絶妙。




 結局、キリリたすき掛けで、子供たちとお相撲を取る半平太さん。今の時代、子供が大人とお相撲を取るのも、服が汚れるのも、ママたちがアレかもねぇ。




 ママたちが騒ぐうち、2人のキッズがいないことが発覚。2人が話していた「こんびに」裏の森の隠れ家情報を、昔行っていたという寅之助君に必死に尋ねる半平太さん。寅之助君の部屋のソファーをササッとどかして正座して、寅ちゃんなんかにも(失敬だな)深く頭を下げる礼節ある姿が胸を打つ。




 佐伯殿には見ず知らずの自分に一宿一飯を施してもらった恩義がある。「武士たるもの、受けた恩義は命に代えても返さねばならん」と熱い口調、強い目で語る半平太さんったら男前。




 そこへ入った殺人犯目撃の知らせ。昼間の殺気の男!森を探す!と走り出る半平太さん。




 その熱が現代人の晴・寅にも伝わったのか、寅之助が案内する、乗って、と晴・寅が車で追いつきます。




 車では行けない所からは、懐中電灯も持たず、安定のなんば走りで森をひた走る半平太さん。少年たちの命もあわや!というとき、ば〜んと扉を蹴って現れたイケメン侍、再び殺人犯と対峙。そんな姿が、表情が、精悍で頼もしい!錦戸半平太、カッコいい!




 早く続きが見たい!次回、ストーリーも、素敵な表情も楽しみたのしみ!いや〜、長くなってすみません。