思い出したように、てるてる話を。前回は冬ちゃんが宝塚に合格した日のシーンでした。その後、宝塚の入学式にも列席してくれた、キレイなおばあちゃんヨネさんが、病気で亡くなり、寂しくなります。でも、引き続き、女性陣には見えるという設定で、時々出演してくれるのが楽しいです。東京の夏ちゃんは待望のレコードデビューを果たしますが、残念ながらヒットはしていません。春ちゃんはスケートをめぐる照子さんとの葛藤の中、将来のご主人、岡谷さんと知り合ったりしています。今日のシーンはその頃のものです。


 夜、栄町商店街。定時制工業高校から帰る和人が歩いている。こちらも宝塚帰りの冬子が後ろから駆け寄る。
冬「かーずちゃん!」
和「あっおかえり」
冬「ただいま。
  あ、あ、ぁ、アカン。離れて」(バタバタと後戻りする冬子)
(一瞬あっけにとられ、寂しげな表情を浮かべた後、微笑んで)
和「そやな、その制服の時はアカンかってんな」
冬「うん、まぁえぇか。和ちゃんは、もぅ家族みたいなもんやし」
(黙って冬子を見つめる和人。くりくりのタレ目全開。お人形のよう)
(冬子、セリフを一言いう度に、ホップステップ・・・のように一歩ずつ和人に近寄って)
冬「清く(一歩)、正しく(二歩)、美しく(三歩)」(三歩目で和人に衝突)
和(小さい声で)「あぶない」冬「ふっふふ」
和「でも、冬ちゃんもえらいおっそいな」
冬(笑顔で)「もうじき、試験やからね。居残り練習しててん」(片手を頭上に上げて、くるりとターン)
和(笑顔で)「えらい、張り切ってるやん。成績いいん?」
冬(急に真顔になり)「それは聞かんといて」
こちらも真顔になる和人。
次回に続く(かも)