前回の続きです。


  歩きながら、会話を続ける二人。


 冬「和ちゃんかて、本音言うたらえぇやんか、お父ちゃんに。
   来年の春には、工場やめんのやろ?」
 和「うん。今のままやったら続けられへん。
   大将のため思ったら残りたいねんけど、俺も自分が大事なだけなんや。
   人のため思ってやってる、いう気持ちがどっかにあるうちは、
   あかんような気ーすんねん」
 冬「けど、うちの工場にいてんの楽しいのやろ?」
 和「うん。(再び笑って) 大将に優しいされたら、俺たまらんねん。つい、甘えたなんねん」
 冬「甘えたらえぇやんか。(←その通り!)お父ちゃん、それ嬉しいねから(と聞こえました)」


 和人、立ち止まり、冬子を見る。


 和「人喜ばすために生きたら、あかんやん。
   (ちらと横に視線をはずして) それは、あかんやん。    (←このたたみかけが最強)
   その人が喜ばれへんようになったら、       (←それは無いのでは)
   その人のこと恨んでしまう。
   (冬子にさとすように) 俺は他人やからな」   (←この辺の言い方が、孤独な青年っぽくて上手)


 再び歩き出す和人。


 特にラストのセリフのあたり、実はよくわからないんだけど、他人には、常に無償の愛情を期待するわけにはいかない、ということなのかな。前にも書いたけど、家庭に恵まれたイエローさんですが、ちゃんと、親を失った控えめで、はかなげな青年に見えましたよね。アホ・ボケとか言う人には見えませんでした、少しも。